AWS認定資格は取得しても「意味ない」といった声も聞かれますが、継続的な学習につながったりキャリアの幅を広げられたりするメリットがあります。
エンジニアとしての市場価値を高めるためには、資格取得によって得た知識を実務に活かすことが大切です。
- AWSの資格は取得したほうがいいの?
- AWSの資格を取得するメリットは?
- AWSの資格はキャリアに活かせるの?
IT業界で資格を活かすための方法もまとめているので、AWSの資格を取得すべきか悩む人はぜひ参考にしてくださいね。
AWS認定資格が意味ないと言われる2つの理由
AWS認定資格が「意味ない」と言われるおもな2つの理由は下記のとおりです。
理由①:資格よりも実務経験が優先される
Web系エンジニアでは、資格よりも実務経験が優先される傾向です。
「AWS認定資格を取得しても意味がない」という声は、資格を保有しても実務を積んでいる証明にはならないことが原因といえるでしょう。
- 上流工程:システム開発にともなう現状の課題を分析し、実現するための道筋を考慮して技術選定・基本設計や詳細設計を行う段階。システムのクオリティを左右する重要なポジション。
- 下流工程:上流工程で完成された要件・設計を実際に形にしていく工程。インフラ構築や運用段階。
AWSエンジニアの仕事において、上流工程にあたる設計段階では、AWS認定資格で得た知識やスキルが役立つ場面もあるでしょう。
一方で、下流工程では、実務経験がなければ対応が難しい側面もあります。
AWSエンジニアとして認められるためには、資格よりも実践的な経験が重要です。
理由②:資格を取得しても年収アップするとは限らない
AWS認定資格を取得しても年収がアップするとは限りません。
企業によっては、資格手当や資格報奨金を支給するケースもありますが、資格を取得するだけでは大幅な年収アップの期待はできません。
- AWS認定資格の取得
- 実務経験を積み重ねながらスキルを磨く
身につけた知識やスキルを現場でどのように活かしていくかは自分次第です。
AWS認定資格を取得する5つのメリット
AWS認定資格を取得する5つのメリットを解説します。
メリット①:AWSの基礎知識が身につく
資格を取得することでAWSの基礎知識が身につくのはメリットの一つです。
AWSはクラウドコンピューティングの分野で広く使用されており、資格取得を通じて得た知識は、IT業界で大いに役立つでしょう。
AWSをイチから学ぶ場合、「どのような知識やスキル」を「どのレベル」まで身につけるべきかが分かりにくいといえます。
メリット②:難易度にあわせて継続的に学習できる
AWS認定資格は、難易度別にレベル分けがされていて継続的に学習しやすいのが特徴です。
AWS認定資格は全12種類あります。
6つが3段階のレベルに分けられ、残りの6つが専門レベルに分類されます。
区分け | 難易度 | 認定資格 |
基礎レベル | 低 | ・Cloud Practitioner Foundational(CLF) |
アソシエイトレベル | 中 | ・Solutions Archtecht Associate(SAA) ・Developer Associate(DVA) ・Data Engineer Associate(DEA) ・SysOps Administrator Associate(SOA) |
プロフェッショナルレベル | 高 | ・Solutions Archtecht Professional(SAP) ・DevOps Enginner Professional (DOP) |
専門レベル | 高 | ・Advanced Network Specialty(ANS) ・Database Specialty(DBS)【※】 ・Machine Learning Specialty(MLS) ・Security Specialty(SCS) ・SAP on AWS Specialty(PAS)【※】 |
基礎レベルの「Cloud Practitioner Foundational(CLF)」は、未経験でも挑戦しやすい資格です。
難易度が低いものから高いものへ順に資格を取得すれば、継続的に学べるだけでなく、勉強のモチベーションも維持しやすいメリットがあります。
メリット③:実務経験を積むためのきっかけになる
実務経験を積むきっかけになる点も、AWS認定資格を取得するメリットの一つです。
案件を割り当てる際に、同じような実務経験のエンジニアから一人選ぶ必要があれば、資格の有無が判断材料になるかもしれません。
未経験や初心者からAWSエンジニアを目指す場合には、資格の取得を通じて、真剣に学ぶ姿勢から信頼を得やすいでしょう。
メリット④:スキルの客観的な証明になる
エンジニアとしての知識やスキルを証明するために、資格やポートフォリオは大切です。
なかには、選考条件として、資格を持っていれば面接を確約するといった条件を提示している企業もあります。
- 自身の習熟度を測る目安になる
- 第三者がスキルや経験を把握しやすい
メリット⑤:キャリアの幅を広げられる
AWS認定資格を取得することで、キャリアの幅を広げられます。
- 新たにAWS関連の仕事を任せてもらえる
- AWSを使用している別の企業からオファーが来る
- フリーランスや副業で案件を獲得しやすくなる
AWS認定資格を取得するデメリットは?
AWS認定資格を取得すればスキルの証明にもなるため大きなデメリットはありませんが、相応の勉強時間が必要になるほか、受験料がかかります。
AWS認定資格試験の受験料はレベルによって異なりますが、2024年4月時点の受験料は、下記のとおりです。
- 基礎レベル:15,000円(税込)
- アソシエイトレベル:20,000円(税込)
- プロフェッショナルレベル:40,000円(税込)
- 専門レベル:40,000円(税込)
AWS認定資格の基礎レベルにあたる「Cloud Practitioner Foundational(CLF)」でも、試験範囲は決して狭くありません。
AWS認定資格試験に合格するためには試験対策が必須です。
受験料に加えて、教材の購入や模擬試験の費用などもかかります。
長期的にみれば、資格を活かして理想のキャリアに近づける可能性が高い一方で、短期的には費用対効果を実感しにくい点はデメリットと言えるでしょう。
AWSの資格は価値あり!IT業界でフル活用する方法
AWS認定資格をIT業界でフル活用する方法を解説します。
AWS認定資格取得は、決して意味がないとはいえません。
資格取得を目的にするのではなく経験を積む
AWSエンジニアとして活躍するためには、資格取得が目的にならないよう注意が必要です。
資格取得を目標にモチベーションを維持するのも一つの方法ですが、身につけた知識やスキルを活かすためには、積極的に経験を積まなければなりません。
- 社内の新たなプロジェクトに参加する
- 副業を始める
- 新しい環境を求めて転職する
資格勉強の段階から実践的に学ぶ
AWS認定資格をIT業界でフルに活かすためには、資格取得に向けて勉強する段階から、実践的な学びを組み込むのがポイントです。
下記のように実践的に学ぶことを意識できれば、より効果的にスキルを身につけられます。
- 教材を読み込むだけでなく、AWS上でWebアプリケーションを使ってみる
- 実際のプロジェクトを想定して動作環境を構築してみる
独学の場合は、なかなかAWSに触れるきっかけがありません。
AWSのSAAを取得するための勉強方法を詳しく知りたい方は、AWS SAAのおすすめ勉強方法8選をまとめた記事も参考にしてみてください。
まとめ:AWS認定資格は実務に活かしてこそ意味がある
AWSエンジニアにとって、認定資格はその人のスキルを完全に可視化できるものではないものの、採用やキャリアアップ、実務においてプラスに作用します。
ただし、資格取得を目的にしてしまって、コレクターにならないよう注意が必要です。
- 資格の取得を目的にしない
- 勉強の段階から実践的な学びを組み込む
- 難易度にあわせて継続的に学ぶ
- 資格を取得して実務経験を積むきっかけにする
- キャリアの幅を広げて年収アップにつなげる
AWS認定資格で得た知識やスキルは、実務で活かしてはじめて自身の市場価値を高められます。