AWS SAPに興味があるものの、難易度が最難関というウワサを聞いて、受験するのをためらってはいませんか?
結論を先に言うと、SAPはたしかにAWS認定資格の中でも難易度が高いですが、適切な方法で学習と経験を積めば合格はできます。
- なぜAWS SAPは難しいのか?
- 他のAWS資格との違いは?
- 合格に必要な知識は?
- 合格に向けた勉強法は?
AWS SAPについて深く知り、挑戦するかどうかしっかり見極めていきましょう。
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AWS SAPが最も難しい資格と言われる3つの理由
AWS SAPが難しい理由は大きく分けて下記の3点です。
なぜ最難関なのか、具体的に解説していきますね。
理由①:出題範囲が広いから
AWS SAPは出題範囲がとにかく広く、覚える内容が膨大なため最難関といわれています。
試験範囲であるAWSサービスの対象は158にも及ぶのです(2023年11月現在)。
- 複雑な組織に対応するソリューションの設計 (採点対象コンテンツの 26%)
- 新しいソリューションのための設計 (同29%)
- 既存のソリューションの継続的な改善 (同25%)
- ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速 (同20%)
AWSの基礎的な知識がないと、問題を解くことすら難しいのが現状です。
AWS SAPの合格が難しいといわれるのは、AWSサービスについての幅広い知識が要求されるという理由が挙げられます。
理由②:問題文と回答が長く集中力が試されるから
AWS SAPの試験形式は、問題文と回答となる選択肢が長く、制限時間もギリギリであることが挙げられます。
問題形式 | 単一選択・複数選択 |
問題数 | 75問 |
問題文の行数 | 5~10行 |
選択肢の行数 | 1~5行 |
制限時間 | 180分 |
- 単純計算で1問あたり2分24秒で回答していく必要がある
- 問題文と選択肢を合わせると、200字~600字程度の文章
- 3時間集中力を切らさないまま、75問を正確に回答し続ける必要がある
非常に集中力も試される試験のため、最難関と言われるのです。
理由③:ベストプラクティスを導く必要があるから
AWS SAPではさまざまな状況が問題文に示され、それぞれの状況に最も適切な選択肢を選ぶ必要があります。
- コスト効率が一番いい選択肢はどれか
- 導入のためのリードタイムが一番少ない選択肢はどれか
- 一番ダウンタイムが少ない選択肢はどれか
自分が考えるなかで一番いい選択肢ではなく、「問題文に沿ったベストプラクティス」を導く必要があります。
以上3つの理由から、AWS SAPの難易度はグッと高まり、最難関と言われるのです。
AWS SAPはSAAに比べてどれくらい難しいの?
AWS SAPは2年以上の実務経験を持つ人が受験対策となるため、基礎知識がベースとなるSAAより難しいのは明白です。
AWS SAP試験ガイドでは、AWSでのクラウドアーキテクチャの設計とデプロイにおいて「2年以上の実践的な経験を持つ人が対象」と記載されています。
- 問題数が75問とSAAより10問多い
- 問題文・選択肢ともに長文
- 読解力や回答を導く力も求められる
スキルは個人差があるので一概には言えませんが、単に知識を暗記すれば良いのではなく、実務を通して問題解決する方法を理解しておかないと厳しいでしょう。
AWS SAPとSAAの違い
AWS SAPとAWS SAAの違いに関して、公式試験ガイドを参考に両試験を比べてみましょう。
試験名 | AWS SAA | AWS SAP |
問題数 | 65問 | 75問 |
問題文の行数 | 2~5行 | 5~10行 |
選択肢の行数 | 1~3行 | 1~5行 |
制限時間 | 130分 | 180分 |
試験対象サービス数 | 128 | 158 |
違い①:問題文が長く複雑になる
AWS SAAと比較してAWS SAPは圧倒的に問題文・選択肢が長く、複雑です。
問題文・選択肢の長さだけでも、約3倍はあります。
SAPは各問題において、複雑なシチュエーションに関する問題文・選択肢が出題される点に違いがあります。
違い②:出題範囲が広く深くなる
AWS SAAと比較して、SAPは出題対象のサービス数も増加します。
単にサービス数が増加するだけでなく、各サービスに関する深い知識も必要です。
- ベストプラクティスを導く能力
- アーキテクチャ要件に関連付ける能力
- 提案する力
SAPでは、ただ試験範囲のサービスが増えるだけでなく、問われる内容も深くなるという違いがあります。
SAPとほかのAWS資格との難易度を比較
AWS認定試験においては、SAP以外にも11の試験が現在一般公開されています。
それぞれの難易度を比較した結果は以下のとおりです。
試験名 | SAPと比較した難易度 | コメント |
Cloud Practitioner(CLF) | 非常に易しい | 問題文や選択肢がはるかに短い |
Archtecht Associate(SAA) | 易しい | 選択肢や問題文が短く、複雑でない |
SysOps Administrator Associate(SOA) | やや易しい | ラボ試験という特殊な形式があり、対策方法が他のAssociate試験と異なる |
Developer Associate(DVA) | 易しい | サーバーレスのサービスを中心に問われるため、問題文のシチュエーションは複雑でない |
DevOps Professional(DOP) | やや易しい | SysremsManagerやCodeシリーズに関する問いが多いが、問題のシチュエーションは複雑でないことが多い |
Database Specialty(DBS) | やや易しい | データベースに関するサービス中心に出題されるため、対策が用意 |
Security Specialty(SCS) | やや易しい | セキュリティに関するサービス中心に出題されるため、対策が用意 |
Advanced Network Specialty(ANS) | 同程度 | 問題文のシチュエーションが時にはSAPよりも複雑となっており、なおかつ高い専門知識が必要 |
SAP on AWS Specialty(PAS) | やや易しい | ERPの『SAP』に関する試験だが、その分範囲は広くはない |
Data Analytics Specialty(DAS) | やや易しい | 少々機械学習に関する知識も問われるが、問題文は複雑ではない |
Machine Learning Specialty(MLS) | やや易しい | 問われる内容は専門的だが、問題文は図も多く、選択肢も長くはない |
上記の難易度は、個人の経験により異なります。
機械学習の修士号取得者であればMLSの試験は非常に楽に感じるでしょう。
SAP合格までに必要な学習期間
SAP合格までには一体どれくらいの学習期間が必要なのか下記2つの場合で解説します。
AWSの知識がある経験者の場合
AWSの知識がある経験者といっても個人差があり、SAP合格までの学習期間をひとくくりにするのは難しいといえます。
ここでは、「エンジニアとしてAWSを業務で扱ったことがあるレベルの知識」を持つ人の場合をご紹介します。
合格した人の事例を見ると、SAP合格までの学習期間は
- 30時間
- 1.5ヶ月(基礎学習は1年程度)
- 4ヶ月(正味2ヶ月、100時間程度)
など、実にさまざまです。
- 実務で使ったことがないサービスの理解
- 中核となるサービスの多様なユースケースの学習
- サンプル問題などの問題演習
まずはAWS公式サイトでサンプル問題を解いてみて、感覚を掴んでみましょう。
AWS 未経験者の場合
非エンジニアでAWS完全未経験の方や、AWSを触ったことがない方がSAP取得を目指すことは、あまり想定されません。
SAAを取得できるレベルまでに必要な勉強内容をまとめました。
- ネットワークやセキュリティの理解
- マネージドサービスなど、クラウド特有の概念の理解
- AWSの主要なサービスに関する知識の習得
それぞれを身につけるのに約30~40時間が必要として、合計で最低でも100時間は必要になります。
そのうえで『AWSの知識がある経験者の場合』に沿って学習を進めるとして、合計200~250時間はかかるでしょう。
さらにそこからSAP合格を目指すとなれば、最短でも半年は必要になると考えられます。
SAP合格におすすめな勉強手順5ステップ
SAPに合格するためは、下記の5つのステップで学習を進めるとよいでしょう。
おすすめの勉強手順を、以下で具体的に解説します。
ステップ①:AWS SAP試験ガイドを確認する
AWS SAPの試験ガイドを確認し、試験概要をしっかり把握しましょう。
試験ガイドでは下記3つの内容を確認できます。
- 試験出題領域と得点配分
- 試験対象外の知識
- 試験に出題される概念やサービス
SAPに合格するためには、戦略と綿密なスケジュール管理が必要です。
ステップ②:AWS SAPの試験問題サンプルを解く
AWS SAPでは問題サンプルが公開されており、問題サンプルを解くことで試験のフォーマットを理解できます。
また、自身の強みや弱点を明確にできます。
現状を正しく知ることで、効率的な学習計画を立てやすくなるといったメリットがあります。
ステップ③:AWS公式ドキュメントでインプットをする
公式ドキュメントを活用して、AWSの各サービスに関する知識をインプットしましょう。
AWSでは、以下のように各種のドキュメントが用意されています。
サービス別資料 | ・ユースケースやサービスの概要が端的にまとまっている ・サービスの概要を知りたい場合におすすめ |
AWS Documentation | ・AWSの詳細な解説や設定方法が記載されている ・概要レベルを超えた細かい内容を確認したい場合におすすめ |
SAPに特化した参考書を購入して読んだ後に、不足する知識を公式ドキュメントで補う学習方法でも構いません。
ステップ④:参考書や動画講義で模擬問題を解く
知識をつけたら「問題を解く→参考書や動画講義を見る」を繰り返し、不明な箇所をつぶしていきましょう。
Udemyでは数多くの模擬試験が販売されており、YouTubeではAWS公式の解説動画も視聴できます。
利用する参考書や動画講義は、ご自身の肌に合うもので構いません。
ステップ⑤:AWS公式の模擬試験を受ける
AWS公式の模擬試験を受け、本番の形式に慣れることも大切です。
「AWS Skill Builder」というサービスに登録することで、模擬試験を受験できます。
間違えた問題は後から見返せるので、「問題を解く→公式ドキュメントを確認する」を繰り返し、不明な点を一つずつなくしていきましょう。
難易度が高いAWS SAPに最速で合格したいならスクールも検討しよう
AWS SAP合格のラインは、100~1,000のスケールスコアのうち、750スコア以上と設定されています。
高めに設定されているため、合格には試験対策が必須となります。
- モチベーションの維持が難しい
- まとまった勉強時間が確保できない
- 不明点の解消ができない
- 試験対策だけで実践的な知識が身につかない
- 体系的な学習ができない
この問題を解決する方法として、AWSを網羅的に学べるエンジニアリングスクールの受講もおすすめです。
「スクールの選び方と活用ポイント10選」をお伝えしている記事もぜひ参考にしてください。
スクールの中でも、RaiseTechではエンジニアを本業とする講師陣が指導しているため、リアルで実践的な知識を体系的に効率よく学べます。
グループミーティングやコミュニティへの参加も可能で、不明点の解決や、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境が整っています。
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まとめ:AWS SAPの難易度は高いが対策は十分できる
AWS SAPの特徴と合格に向けた勉強法について紹介しました。
- AWS SAPはほかのAWS試験と比較しても明らかに難しい
- 合格には実践的な知識が必要
- まずは自身のAWSスキルを把握し、勉強すべき内容と時間を見積もる
- 試験ガイドやサンプル問題を活用し、問題形式や出題範囲を理解する
- 不明な箇所はAWS公式ドキュメントを参照する
- AWS公式の模擬試験や動画サイトで問題形式に慣れておく
- AWSを学べるスクールの利用もおすすめ
非常に難易度の高い試験ですが、要点を掴みしっかり勉強すれば合格は目指せます。
本記事を参考に、ぜひ難易度の高いSAPの資格にも挑戦してみましょう。