AWSとは何に使うの?メリットや活用例を初心者にわかりやすく解説

AWSとは何に使うの?メリットや活用例を初心者にわかりやすく解説

AWS(Amazon Web Services ) の名前を聞いたことがあるけど、そもそも何に使うのか、どのような場面で使われているサービスなのかわからない方も多いのではないでしょうか?

AWSは、Amazonが提供しているクラウドサービスの総称のことです。

本記事では、初心者の方にもわかりやすく、AWSとは何なのか、どんなサービスなのか解説していきます。

本記事で解説している内容は下記のとおりです。

  • そもそもAWSとは?
  • AWSを使って何ができるの?
  • AWSの活用例
  • AWSのメリットやデメリット

AWSは企業だけでなく、身近なものにも使われており個人の方でも利用できるサービスです。

本記事を読めば、AWSの知見も広がり「何に使われているのか」が理解できるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

AWSとは?

AWSのイメージ画像

AWS(Amazon Web Service)とは、Amazon社が提供するクラウドコンピューティングサービスの総称を指します。

テッくん

AWSについて知るためには、クラウドサービスについても理解しておこう!!!

クラウドサービスとは

クラウドとは、インターネットを通じてサーバーに保存してあるデータやファイルを世界中のどこからでも情報にアクセスできるサービスのことです。

クラウドが何かを説明するテッくん

クラウドを使っている具体的なサービスは以下のとおりです。

クラウドを使っているサービスの一例
  • Gmail
  • X(Twitter)
  • Facebook
  • Slack
  • ChatWork
  • Zoomなど

クラウドサービスは、私たちが普段当たり前のように使っている身近なサービスにも使われているのです。

AWSは200以上の多才なサービスを組み合わせることで、インターネットを通じて多様なサービスやアプリケーションの提供を可能にしています。

AWSは世界中の国と地域にサービスを展開しており世界シェア率No.1のクラウドサービスです。

AWSで何ができるの?

アプリケーションをクラウドに作る過程を説明するテッくん

AWSでできることは幅広く、設定やカスタマイズもできる自由度が高いクラウドサービスです。

どのような用途でAWSが利用できるのかを説明していきます。

サーバー環境構築

AWSを使うと、仮想サーバーやコンテナなどのサーバー環境を簡単に構築できます。

サーバーについて説明するテッくん

AWSでサーバー環境を構築するメリットは下記の通りです。

  • コストの節約
  • コスト削減

AWSを使えば、必要なときに必要な分だけ稼働できるため、アクセスの急増にも柔軟に対応できます。

自動化の機能を使うと、サーバーの追加だけでなくアクセスが落ち着いたあとのサーバー削除も自動で実施できます。

AWSを活用することで、アクセスの急増や業務の変化にも迅速に対応できるため、ビジネスチャンスを逃さないようにすることが可能です。

コンテンツ配信

AWSのコンテンツ配信に特化したサービスを利用することで、Webサイトやアプリケーションのコンテンツを高速に配信できます。

下記の画像は、AWSエッジロケーションを表しています。

エッジロケーションとは

エッジロケーションとは、AWSのコンテンツ配信を高速かつ安定したアクセスで提供するために、世界中に配置されているネットワークアクセスポイントです。

インターネットでコンテンツを配信する際にロード時間やセキュリティ面の課題が発生しやすいですが、Amazon Cloud Front:アマゾン・クラウド・フロントを利用すれば、アクセス元から近いエッジロケーションを利用した高速配信が可能になり、課題を解決できるでしょう。

データ保存

AWSのサービスを利用することでファイルやオブジェクトなどのデータを安全に保存できます。

Amazon S3(Simple Storage Service:シンプル・ストレージ・サービス)は、保存容量が無制限であり大量の動画や画像・テキストなどのファイルも容易に管理できるでしょう。

内部的に自動で複数のストレージに保存される仕組みで、耐久性が非常に優れているため安心です。

データのバックアップや回復も実施しやすく、障害発生時の復旧などにも重宝する機能といえるでしょう。

データベース利用

AWSのデータベースを利用すれば、データの保存・管理を比較的簡単に行えます。

AWSは、データベースの多くの管理タスクを自動化しているためです。

AWSが自動化している管理タスクの一例
  • バックアップ
  • パッチ適用
  • スケーリング

面倒な作業をAWSに任せられるため、ユーザーはデータベースの基本的な管理を手動で行う必要がありません。

オンプレミスやIaaSと比較するとユーザーの管理コストが削減されるため、ユーザーはより重要なタスクに時間を費やすことが可能となります。

セキュリティ対策

AWSはデータやアプリケーションに対し暗号化・認証・権限管理などの対策も可能になります。

  • 暗号化:第三者によるデータ読み取りや改ざんを防止
  • 認証:正当な利用者のみ特定のデータやリソースにアクセスできるよう制御
  • 監査:ユーザの活動や発生した事象を追跡・評価

AWSのセキュリティは、他社のクラウドサービスの中でも高い水準を誇っており強力です。

AWSの公式サイトにも記載されているとおり、AWSではセキュリティ対策を最優先事項としているため、初めて導入される方でも安心してご利用できるでしょう。

AWSサービスを専門とする技術者である、AWSエンジニアを生業として活躍する方法もあります。

気になる方は、下記の記事も参考にしてください。

関連記事:AWSエンジニアに向いている人の特徴8選!

AWSは何に使う?具体的な使用例5選

アプリ設計のイメージ画像

AWSは日本国内の様々な企業も導入しているサービスです。

AWSを使った具体的な使用例5選を紹介していきます。

スマートデバイス向けゲームの世界配信

任天堂株式会社と株式会社DeNAは、2016年12月にスマートデバイス向けゲーム「Super Mario Run」のiOS版を世界151の国と地域で配信しました。

ユーザのアクセスを負荷分散し、トラフィックを流す構成をAWSサービスを使って実現しました。

配信開始時は世界中のユーザが一度にアクセスしましたが、特に大きな障害も発生せずAWSは安定稼働していました。

IoT家電にクラウドでのデータ取得・分析機能を搭載

シャープ株式会社では、IoT家電にクラウドサービスを導入することで、より家電の利便性を高めることに成功しています。

一例として「COCORO AIR」には、AIとIoTを結び付けたシャープ独自の技術が搭載されています。

エアコンの設定温度や空気清浄機の運転モードなど、操作履歴をもとにAIがそれぞれの普段の使い方を分析・学習します。

季節情報や天気の情報もクラウド経由で入手して、運転の最適化に役立てています。

クラウドにAWSが利用されているのです。

今では商品開発を行う際、クラウドを活用する考え方が社内に根付いたため、シャープ株式会社では、新しくクラウドを意識せずとも商品開発ができるようになっているといいます。

キャッシュレス決済の普及にAWSを活用

日本全国でサービス開始5年でユーザーが6,000万人を超えたPayPayでは、AWSを活用したことで開発スタートから3ヶ月という短い期間で、キャッシュレス決済のサービス開始にたどり着きました。

キャッシュレス決済市場は非常に動きが速く、リリースのわずかな遅れが市場シェアの獲得に大きな影響を及ぼします。

開発当初は、国内外の金融機関での導入実績からAWSを選択したといいます。

スピードを重視しつつも安定したサービスの提供を実現させるため、今ではAWSは必要不可欠になりました。

キャンペーン中の一次的なトラフィックの急増時や、新サービスの開発時にも、システムを気にせずに高い付加価値の提供に開発リソースを置けるため、非常に役立っているとのことです。

学校向け授業支援クラウドの開発

株式会社LoiLo(ロイロ)は、学校向け授業支援クラウド「ロイロノート・スクール」のシステムをAWSを活用して作成しました。

コロナ禍に入り在宅授業のサービスに急激な需要の波が押し寄せたため、既存システムからAWSへ移行したことで大量のアクセスにも耐えられるシステムとなりました。

  • アプリケーションサーバ
  • データベース
  • 授業データ配信

「ロイロノート・スクール」のシステムは上記の要素で構成しており、AWSは柔軟なシステム構成も可能になります。

2014年にリリースされて以来、国内外で約1万2000校、毎日約227万人が利用するサービスに成長しています。

Webサイトの構築

弊社のWebサイトであるRaiseTechもAWSを活用して構築・運用しています。

AWSを使ってwebサイトを構築するメリット
  • サーバーの契約が不要
  • 自由度が高くオリジナルなWebサイト構築ができる
  • 世界中にデータセンターがあり高速かつ安定したサイトを提供できる
  • セキュリティ対策に強い

AWSを活用できるようになれば、企業のホームページやオリジナルのWebサイトを構築することもできるようになるでしょう。

AWSを利用する4つのメリット

丸の札を持つエンジア

AWSを利用するメリットは大きく4つ挙げられます。

各メリットについて詳しく解説していきます。

初期費用ゼロ・コスト削減につながる

AWSは初期費用が無料であり、使用している時間に応じた従量課金タイプの料金体系のため、コスト削減につながります。

テッくん

従量課金を簡単にいうと「使った分だけお金を払う」という意味だよ~!

AWSのサービスを使用していない範囲や時間は利用料金の課金対象外になるため、コストを抑えながらシステム運用が可能になります。

浮いたコストは、他の事業に回せるようになるため企業にとって大きなメリットといえるでしょう。

高機能なサービスを幅広く利用できる

AWSでは最新のテクノロジーが誰でも簡単に利用できます。

AWSは年間1,000回を超えるバージョンアップや機能の改善を繰り返しているため、常に最新のサービスが利用可能です。

人工知能やブロックチェーンなどの分野において、AWSでは先進的なサービスを展開しています。

従来では環境を構築するにも専門的な知識が必要となり、開発着手やサービス提供までに苦労するケースが多くありました。

しかし、AWSのサービスを利用することで開発までにかかる時間が短縮できサービスやアプリケーションの開発に集中することが可能となりました。

高機能で豊富なサービスラインナップから、ニーズに合わせてAWSサービスを選択できることで、サービス提供までのスピードアップにつながっているといえます。

安定したサービスを持続的に提供できる点は、AWSの魅力といえるでしょう。

利用状況に応じて、必要なリソースを簡単に拡張できる

AWSは、システムやアプリケーションへのアクセス・負荷上昇に伴う柔軟なリソース拡張が可能です。

従来のサーバーシステムの場合、時間やコストがかかる、急なアプリケーションの停止などもありビジネス上の機会損失につながっていました。

従来のサーバーシステムとは
  • 初期費用が高額である
  • 迅速な拡張は不可能
  • 超過アクセスでシステムダウンする
  • 需要を予測した上で機器の手配が必要など

しかし、AWSを含むクラウドサービスは、将来の需要予測に時間を費やす必要もなくなり、他の業務に注力できるようになりました。

AWSを含むクラウドサービスならビジネスの成長に合わせてITリソース(※)を柔軟に拡張することも可能です。

AWSを活用すれば、需要に応じて適切な量のITリソースを確保できるため、業務効率化やコスト削減に大きく貢献するでしょう。

ITリソース

コンピュータのソフトウェアやハードウェアを動作させるために必要なハードディスク容量やCPUの処理速度、メモリ容量などを指します。

グローバルなインフラ環境も構築できる

AWS はリージョンと呼ばれるサービス拠点をグローバルに展開しているため、世界中の各国・各地域からでも仕事が可能です。

従来のサーバーで海外にシステムを構築する場合、現地でサーバー契約などが必要になるため、時間を経費も要する作業でした。

しかしAWSを使えば、いつでもグローバルなインフラ構築やリモートワークの環境も提供できるため、コスト削減はもちろん世界中の優秀な人材を集めることも可能です。

スムーズにグローバルな展開ができるようになるので、ビジネス拡大にもつながるでしょう。

AWSを利用する2つのデメリット

バツを表す女性

一見便利なAWSですが、デメリットも存在します。

メリットだけでなく、デメリットも把握してからAWSを利用しましょう。

技術的な知識やスキルが必要

AWSを利用するには、技術的な知識やスキルを身につけなければ扱うのは難しいでしょう。

AWSは数多くのサービスを提供していますが、最適なサービスを選択するには知識やスキルは必要不可欠です。

AWS利用時に必要となる知識やスキル
  • クラウドコンピューティング
  • ネットワーク
  • セキュリティ

AWSを使用したことがない場合、適切なサービスを選択することは難しいでしょう。

また、AWSのサービスは常にアップデートされているため、最新情報をキャッチアップできないと、古い情報のままで構築できなくなる可能性も出てきます。

AWSの利用を検討している方は、基礎知識やスキルを身につけることから始めてみましょう。

ランニングコストの予測がしづらい、予算が立てにくい

AWSのランニングコストは、利用したサービスの種類や量に応じて変動するため、想定外のコストが発生する可能性があり、予算が立てにくい特徴があります。

「利用した分だけ料金が発生するため、コスト削減につながる」という部分でもお伝えしましたが、従量課金制のため使用分のみが請求されるようになります。

ランニングコストが変動する要因
  • 利用したサービスの種類や量
  • 利用時間帯
  • 利用地域
  • ユーザーの行動パターン

AWSサービスによっては複雑な料金体系が適用されているケースもあるため、年間を通した予算の計画を立てることは難しいといえます。

過去の利用状況を分析したり、シミュレーションツールを利用することで、利用量のおおまかな予測は可能です。

適切な対策を講じることで、利用量を予測し、予算を立てることが大切となります。

AWSは世界中で使用されているクラウドサービス

awsの強み

AWSは世界中で幅広く使われているクラウドサービスです。

企業が導入しているイメージをお持ちの方も多いですが、個人でも気軽に使用できるサービスなので少しでも興味を持ったかたは実際にAWSを触ってみるといいでしょう。

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テッくん

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この記事を書いた人

JavaとAWSを主戦場として働いている常駐型の現役エンジニア集団
最速で「稼げる」エンジニアになるための、実践的なWebエンジニアリングスクールRaiseTech(レイズテック)を運営しています。
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