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事務職からAIエンジニアへ|値札は「業務を分解できること」

本メディアはRaiseTech(PISTEC株式会社)が運営しています。

「事務職からAIエンジニアに転職できますか」
「プログラミングの経験がまったくありません」

この記事は、そんな不安を持って「AIエンジニア 事務から」と検索したあなたのために書きました。

正直に書くと、他の職種からの転向と比べて距離はあります。プログラミングを一から覚える必要があるためです。ただし事務の経験には、技術から入った人が持っていない強みがあります。それは「Excelが使える」ことではなく、業務を手順に分解して、例外まで含めて把握していることです。

この記事では、何が足りなくて何が値札になるか、現実的な入口の順番、いまの職場でできること、1年のスケジュール、避けたい進め方を解説します。

RaiseTech(レイズテック)は、受講者数2,500名超え!現役エンジニアが講師を務めるAIエンジニア育成のオンラインスクールです。未経験からのエンジニア転職を支援してきた現場で見てきたリアルな情報をもとにお伝えします。

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目次

距離は、はっきり書いておきます

前職によって、AIエンジニアまでの距離は違います。事務職からは、技術の面でいちばん遠い位置にあります。これを曖昧にしたまま始めると、途中で見通しが崩れます。

前職別に見たAIエンジニアまでの距離と、足すものの違い

前職 足すもの 技術面の距離
インフラエンジニア モデルを扱う作法 近い
データアナリスト 動く形にする実装 近い
組み込みエンジニア モデルの中身 中くらい
事務職 プログラミングそのもの 遠い

遠いことは、不可能という意味ではありません。時間がかかるという意味です。1〜2か月で転職できる、という前提で始めないでください。

そして遠いぶん、途中で「向いていないのでは」と感じる場面が来ます。最初に書いておくと、それは適性の問題ではなく、距離の問題であることが多いです。近い職種の人なら数週間で越える部分に、数か月かかることがあります。

なぜ距離があるのかも書いておきます。他の職種は、すでにコードを書いているか、データを扱う仕事をしています。足りない部分を1つ足せば届く位置にいるということです。事務職の場合、まず「コードを書く」という行為そのものを覚えるところから始まります。ここに最も時間がかかります。

→ 他の前職からの道筋はデータアナリストから、インフラエンジニアからにまとめています。

事務の経験が値札になる場所

「Excelが使えます」は、それ自体では評価されません。ツールの操作に慣れていることではなく、そのツールで何をやってきたかが見られます。

事務職の経験が、AI関連の仕事でどう値札になるかの対応表

事務でやってきたこと AI関連の仕事でどう効くか
業務を手順に分解している これが最大の強みです。何を自動化するかを決める工程は、手順の分解そのものです
例外のパターンを知っている 「この場合だけ違う」を知っているのは、やっていた人だけ。設計の抜けはここから生まれます
データの表記ゆれに気づく 同じ会社名が複数の書き方で入っている、といった問題を見つけられます
期限と優先順位を管理する 複数の作業を並行して進める場面でそのまま使えます
専門でない相手に説明する 導入の社内説明で効きます。技術者が苦手にしやすい部分です

1行目と2行目が、技術から入った人には持ちにくい部分です。AIを業務に入れる仕事でよく詰まるのは、技術ではなく「何を任せるかが決まらない」ことでした。これは前の記事でも書いたとおりです。業務の中身を知っている人は、そこで止まりません。

2行目をもう少し。自動化の設計で失敗するのは、たいてい例外の見落としです。「基本はこうだが、月末だけ違う」「この取引先だけ書式が別」。こうした情報は、資料には書かれていません。やっていた人の頭の中にあります。

3行目も実務では効きます。データの中身がおかしいことに気づけるかどうかは、そのデータを日々扱ってきた人のほうが強い部分です。「この列にこんな値が入るはずがない」という感覚は、仕様書を読んでも身につきません。学習に使うデータの質を見る場面で、そのまま使えます。

職務経歴書では、担当業務を並べるのではなく、この2つを書いてください。どんな手順の業務を回していたか、どんな例外があったか。これなら事務の経験が、設計の話として読まれます。

現実的な入口の順番

いきなりAIエンジニアを目指すより、段階を踏むほうが現実的です。3つの入口があります。

事務職からAI関連の仕事に入る3つのルートと距離の違い

入口 どんな仕事か 必要な準備 距離
A いまの職場で自動化を担当 自分の部署の業務を自動化する。転職しない 業務知識+ツールの使い方。いちばん早い すぐ
B 事務職+データを扱う職種 集計や分析を含む事務。データに触れる量が増える Aの実績+表計算を超えた処理の経験 近い
C AI機能を作るエンジニア 設計・実装・検証まで担当する プログラミングの基礎から。時間がかかる 遠い

Aから始めてください。転職せずに始められ、しかも実績が作れます。いまの職場で、自分の業務を1つ自動化する。これだけで、応募のときに話せる材料ができます。

Bは、事務の延長で進める道です。「事務」と「エンジニア」の間には、データを扱う職種がいくつかあります。いきなりCを目指して届かないより、Bを経由するほうが結果的に早いことがあります。

Bについて補足します。求人票では「事務」と書かれていても、中身が集計や分析中心の仕事があります。営業事務の中でも数字をまとめる比重が高い職種、経理でデータを扱う職種などです。こうした職種を経由すると、データに触れる量が増え、次に移るときの材料になります。いまの職場で部署異動という形も現実的です。

Cを目指すなら、時間の見積もりを現実的にしてください。プログラミングの基礎から積むことになります。ただし求人の母数が最も多いのもここです。

→ Cの道筋はAIエンジニアになるには?未経験からの完全ロードマップ、選考の実態は未経験からAIエンジニアになれる?にまとめています。

いまの職場でできること

最初の1つは、いまの業務から選んでください。題材を探す手間が要らず、しかも効果が数字で出ます。

事務職が在職中に自動化の実績を作る4つのステップ

手順 やること 残すもの
① 題材を選ぶ 毎月やっていて、手順が決まっている作業を1つ その作業に月何時間かかっているか
② 手順を書き出す 例外も含めて全部書く。ここが事務の人の得意分野です 手順書(これ自体が成果物になります)
③ 自動化する 表計算の機能から始めてよい。徐々にコードへ 使った仕組みと、つまずいた点
④ 効果を測る かかる時間がどれだけ減ったか 削減できた時間。面接で話せる数字になります

②で手を抜かないでください。例外まで書き出した手順書は、それ自体が「業務を分解できる」ことの証明になります。技術がなくても作れて、しかも評価される材料です。

①の題材選びについても1つ。「自分が面倒だと思っている作業」から選んでください。効果が実感できるので続きます。また、自分が困っているぶん、どこを直せばよいかも分かります。誰かに頼まれた作業を題材にすると、要望を聞くところから始まるので、最初の1つには向きません。

③は、最初から本格的なコードである必要はありません。表計算の機能でできることから始めて、足りなくなったらコードに移る。この順番だと、なぜコードが要るのかが自分で分かります。

④の効果測定も飛ばさないでください。「月に8時間かかっていた作業が1時間になった」と言えるかどうかで、面接での伝わり方がまったく変わります。作業の前後で時間を計っておくだけです。数字が小さくてもかまいません。測って記録する習慣自体が、実務で求められるものだからです。

注意点を1つ。業務のデータを外部のサービスに入れてよいかは、必ず先に社内で確認してください。顧客情報や社外秘を含む場合、使えるツールが決まっていることがあります。

1年のスケジュールと、避けたい進め方

働きながら進める前提です。他の前職より時間がかかる前提で組んでいます。

事務職からAI関連の仕事を目指す1年のスケジュール

時期 やること この時期の目標
1〜2か月目 いまの業務を1つ選び、手順を書き出して自動化する 削減できた時間を数字で言える
3〜6か月目 プログラミングの基礎。手を動かして小さな処理を書く 自分で書いたコードが動く
7〜10か月目 作るものを1つ決めて進める。題材は業務の困りごとから 動くものが1つ完成する
11〜12か月目 公開できる形に整える。応募の準備 説明できる制作物と職務経歴書

1〜2か月目を飛ばさないでください。ここで作った実績が、学習が続かなくなったときの支えになります。また、転職しない選択をした場合でも、この経験は職場で評価されます。

期間について現実的な話を1つ。働きながらの場合、平日に取れる時間は想定の半分ということも珍しくありません。計画を立てる前に、1週間の実績を記録してみてください。

避けたい進め方も挙げます。

避けたい進め方 なぜ避けるか
仕事を辞めてから学び始める いまの職場が、実績を作る場として最も使いやすい環境です。距離があるぶん、収入を保つ意味も大きくなります
「Excelが得意」を強みとして書く ツールの操作は評価されません。何を分解し、どんな例外を把握していたかを書いてください
資格から入る 作るものが決まっていないと知識が定着しません。先に1つ自動化してください
短期間で転職できる前提で計画する 距離があることを織り込まないと、途中で「向いていない」と誤解します

2行目についても補足しておきます。「Excelが得意」と書く人は多いので、それ自体では差がつきません。書くなら、何件のデータを、どんな手順で、月に何回処理していたか。そして例外にどう対応していたか。数字と手順が入ると、同じ経験でも読まれ方が変わります。

4行目について補足します。進みが遅いと感じたとき、それが適性なのか距離なのかを切り分けてください。近い職種の人と比べると遅く見えますが、スタート地点が違います。比べる相手は、同じ事務職から始めた人です。

未経験からAIエンジニアを目指すなら

距離があるぶん、つまずく回数も多くなります。そしてつまずいたとき、何が分からないのかを自分で言葉にするのが最も難しい段階でもあります。ここを1人で抱えると、時間だけが過ぎます。

未経験からエンジニアになった受講生の実績

「本当に未経験からなれるのか」は、実際になった人を見るのが一番早いです。いずれもAWS・Javaコースの卒業生ですが、「未経験から学び、ポートフォリオを作り、転職する」という道筋はAI関連でも同じです。

事例①:完全未経験から半年でWebエンジニアへ|年収250万円→600万円

プログラミング完全未経験からJavaコースを受講し、受講開始から半年でWebエンジニアとして転職。年収は250万円から600万円へと2倍以上になり、フルリモート・残業ゼロの働き方を実現しました。

特筆すべきは「半年」というスピードです。特別な才能があったわけではなく、講義に毎週出席し、分からないことをその週のうちに質問で解消する、という当たり前のことを止めずに続けた結果でした。

▶ 赤松さんのインタビューを読む

事例②:30代後半・未経験からクラウドインフラエンジニアへ|初年度から年収600万円

30代後半、AWS未経験からAWSコースを受講。キャリアチェンジ後の最初の職場で年収600万円に到達し、フルリモートで働いています。

「30代後半では遅い」という不安を持つ方は多いですが、この事例はそれを覆しています。前職までの社会人経験は、エンジニアになってからもプロジェクトの進め方や顧客とのやり取りで強みになります。年齢は壁ではなく、むしろ武器になり得ます。

▶ 石川さんのインタビューを読む

事例③:AWSを武器に差別化|本業+副業で年収800万円・フルリモート

AWSコースで学んだスキルを武器に、フルリモート勤務のエンジニアとして転職。本業と副業を合わせて年収800万円を達成しました。

ポイントは「差別化」です。エンジニアの数は多くても、クラウドやAIといった需要の高い領域を扱える人は限られます。学ぶ領域を選ぶことが、そのまま市場価値の差になる。AI関連を目指す方にとっても、まさに同じ構造が当てはまります。

▶ まつもとさんのインタビューを読む

まとめ|値札は「Excel」ではなく「業務を分解できること」

この記事のポイントを3つにまとめます。

  1. 距離はある。隠さずに計画に織り込む。プログラミングを一から覚えるぶん、近い職種より時間がかかります。進みが遅いと感じたら、それは適性ではなく距離の問題であることが多いです。
  2. 値札は「Excelが使える」ではない。業務を手順に分解できること、例外のパターンを知っていること。この2つは技術から入った人が持ちにくく、自動化の設計で最も効きます。
  3. いまの職場で1つ自動化する。毎月やっている手順の決まった作業を選び、例外まで書き出し、効果を数字で測る。転職しない選択をしても、この経験は職場で評価されます。

全体の流れはAIエンジニアになるには?未経験からの完全ロードマップ、選考の実態は未経験からAIエンジニアになれる?にまとめています。

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この記事を書いた人

RaiseTech運営事務局

RaiseTech(レイズテック)は、受講者数2,500名超え!現役エンジニアが講師を務めるAIエンジニア育成のオンラインスクールです。現場の実績をもとに、未経験からAIエンジニアを目指す方に向けた情報を発信しています。


監修

RaiseTech代表 エナミコウジ

エナミコウジ(RaiseTech代表)

  • ▫️ IT業界歴20年以上
  • ▫️ 経営者歴10年
  • ▫️ 現役エンジニア&スクール運営者
  • ▫️ スクール受講生2,500人以上
  • ▫️ 数百億規模の開発案件の初期メンバーとして参画
  • ▫️ 億単位の開発案件にプロジェクトマネージャーとして参画
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