本メディアはRaiseTech(PISTEC株式会社)が運営しています。
「人材紹介の手数料は、だいたいいくらが普通なのか」
「料率35%と言われたが、高いのか安いのか分かりません」
この記事は、そんな状態で「人材紹介 手数料 相場」と検索した採用担当者の方のために書きました。
先にお伝えすると、「料率の相場」は公的な統計に存在しません。料率を集計した公式データが無いためです。出回っている「30〜35%が相場」という数字も、出どころをたどれません。
そのかわり、実際にいくら払われたかの統計はあります。厚生労働省が毎年集計しており、令和6年度は常用就職1件あたり約103万円でした。エンジニアに絞ると、それより高くなります。この記事では、その実額と、見積もりを比べるときに料率より先に見るべき点をまとめます。
RaiseTech(レイズテック)は、受講者数2,500名超え!現役エンジニアが講師を務めるAIエンジニア育成のオンラインスクールです。未経験人材の育成と、企業さまへの紹介の両方を手がけてきた立場からお伝えします。
「料率の相場」は統計に存在しない
料率を集計した公的な統計はありません。国が毎年集めているのは、料率ではなく「いくら受け取ったか」の金額だからです。

人材紹介会社は、毎年度の運営状況を「職業紹介事業報告書」として厚生労働大臣に提出する義務があります(職業安定法)。そこで集められるのは、求職申込件数・求人数・就職件数・手数料収入の総額です。料率は項目にありません。
つまり、「料率の相場」を名乗る数字は、どれも民間が独自に集めたか、推計したものです。調査対象も算出方法も分からないまま予算に使うと、見積もりを取った段階でずれます。
この記事では、かわりに次の2つで相場を示します。
- 実際に払われた1件あたりの金額(厚生労働省の集計)
- 法令で決まっている上限(職業安定法施行規則)
POINT
国が集めているのは料率ではなく金額。「料率の相場」を名乗る数字は出どころをたどれない。
実際に払われた金額|1件あたり約103万円
令和6年度の常用就職1件あたりの手数料は、約103万円でした。前年度より10.9%増えています。

| 項目 | 令和6年度 | 前年度比 |
|---|---|---|
| 常用就職件数 | 888,993件 | +5.3% |
| 手数料収入 | 約9,835億円 | +17.6% |
| うち常用就職に係る手数料 | 約9,136億円 | +16.8% |
| 常用就職1件あたりの手数料 | 約103万円 | +10.9% |
| 報告を提出した事業所 | 30,561所(うち就職実績あり 13,946所) | — |
出典:厚生労働省「令和6年度 職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和8年3月31日公表)。有料職業紹介事業の数値。「常用」は4か月以上の期間を定めて雇用されるもの、または期間の定めなく雇用されるものを指します。速報値であり、確定値ではありません。
なお、ここでいう「手数料」は職業紹介事業報告の手数料徴収額で、求人者から受け取る手数料と求職者から受け取る手数料の合計です。ただし情報処理・通信技術者では、求職者から受け取る手数料(求職受付手数料・求職者紹介手数料)はいずれも0でした。
この103万円は、厚生労働省が「常用就職に係る手数料の総額 ÷ 常用就職件数」で出した値です。推計ではなく、報告された実績の割り算です。全職業の平均なので、医療・介護・建設・製造なども含みます。
エンジニアは平均より高い
同じ集計には職業別の内訳があります。情報処理・通信技術者の数字を抜き出します。
| 職業 | 常用就職件数 | 手数料の合計 | 1件あたり(概算) |
|---|---|---|---|
| 情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発) | 39,780件 | 約599億円 | 150万円前後 |
| 情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く) | 26,882件 | 約441億円 | 160万円前後 |
| (参考)全職業の平均 | 888,993件 | 約9,136億円 | 約103万円 |
職業別の1件あたりは、同じ集計の「手数料徴収状況」と「常用就職件数」から計算したものです。ただし分子の手数料には臨時日雇の分も含まれており(職業別の表は常用と臨時を分けていないため)、常用だけの1件あたりは、ここに書いた概算より低くなります。「150万円前後」は上限寄りの目安として読んでください。全職業の約103万円は、厚生労働省が常用だけで割った公表値です。
エンジニアの採用1件にかかる紹介手数料は、全職業の平均より高い水準にあります。理論年収が高いぶん、同じ料率でも金額が大きくなるためです。見積もりで100万円台後半の数字が出てきても、相場から外れているわけではありません。
POINT
全職業の平均は1件あたり約103万円。エンジニアはそれより高く、概算で150万円前後。
法令の上限と、それが効く範囲
手数料には法令の上限がありますが、効くのは2種類あるうちの片方だけです。しかも金額ベースでは、ごく一部にしか効いていません。

上限制手数料|賃金額の11%が上限
| 種類 | 最高額 |
|---|---|
| 受付手数料 | 求人の申込みを受理した場合、1件につき710円(免税事業者 660円) |
| 紹介手数料(原則) | 支払われた賃金額の100分の11(免税事業者 100分の10.3) |
| 紹介手数料(同一の人に6か月を超えて雇用された場合) | 6か月間の雇用に係る賃金について支払われた賃金額の100分の11(免税10.3) |
| 紹介手数料(期間の定めのない雇用で6か月超) | 上の額と、支払われた賃金から臨時の賃金・3か月を超える期間ごとの賃金を除いた額の100分の14.8(免税13.9)のいずれか大きい額 |
出典:職業安定法施行規則(昭和22年労働省令第12号)別表(第二十条関係)。e-Gov法令検索の現行条文より(2026年10月12日確認)。表の「手数料」は、求人者から徴収する額と関係雇用主から徴収する額の合計額を指します。
届出制手数料|法令に上限率の定めはない
もう一方が届出制手数料です。事業者が手数料表を作って厚生労働大臣に届け出れば、その届け出た額を徴収できます。法令に上限率の定めはありません。
額が明確に定められていない場合や、特定の人に不当な差別的取扱いをする場合には、手数料表の変更命令が出る仕組みになっています。
「届出制の上限は50%」という説明を見かけますが、職業安定法施行規則の第二十条にも別表にも、その率は書かれていません。条文で確認できるのは上限制の11%・14.8%と、受付手数料の710円だけです。
金額ベースでは、上限制は0.4%未満
ここがいちばん実務に効く事実です。同じ集計の「手数料徴収状況」を上限制と届出制に分けると、こうなります。
| 職業 | 上限制手数料 | 届出制手数料 | 届出制の割合 |
|---|---|---|---|
| 情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発) | 2億1,432万円 | 596億6,495万円 | 99.64% |
| 情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く) | 8,531万円 | 440億1,989万円 | 99.81% |
出典:同・「4. 手数料徴収状況」より計算(単位:千円の表を円に換算)。
エンジニアの紹介手数料は、金額のほぼ全部が届出制です。上限制が占めるのは0.4%に満たない。つまり「法令の上限は11%」は、実務で受け取る見積もりにはほぼ当てはまりません。11%を基準に高い安いを判断すると、見方を間違えます。
POINT
エンジニアの手数料は99.6%が届出制。法令の上限11%は、実務の見積もりにはほぼ当てはまらない。
料率より先に見る3点
料率だけを並べても、支払う金額は比べられません。同じ35%でも、次の3つで請求額が変わるためです。

| 見る順 | 項目 | なぜ先に見るか |
|---|---|---|
| 1 | 算定の基礎(理論年収に何を含むか) | 固定残業代や賞与見込みを含めるかどうかで、同じ料率でも請求額が十数万円変わります |
| 2 | 返金規定 | 早期退職時に何割戻るか、何か月以内が対象か。ここが無い契約は、採用が失敗したときの損失が全額残ります |
| 3 | 支払時期 | 内定時か、入社時か、入社後◯か月か。資金繰りと、返金規定の実効性の両方に効きます |
とくに1の算定基礎は、法律で決まっていません。何を含めるかは契約ごとに違います。固定残業代を月4万円に設定している求人なら年額48万円。料率35%なら、これを含むか含まないかだけで約17万円の差が出ます。
見積もりを取るときは、料率と並べて「理論年収の定義を項目単位で」書面に残してください。口頭で「一般的な範囲です」と言われた場合は、基本給・固定残業代・毎月の手当・賞与見込み・通勤手当の5つについて、含むか含まないかを個別に確認します。
→ 算定基礎と契約条項の読み方はエンジニア人材紹介の成功報酬とは|相場・料率・返金規定の見方で詳しく扱っています。
POINT
比べるのは料率ではなく「料率 × 算定基礎」。返金規定と支払時期まで見て、はじめて比較できる。
そのまま使える|見積書で確認する7項目
下の表をコピーして、受け取った見積書と突き合わせてください。空欄が残る項目が、後からもめるところです。

| 項目 | 見積書の記載 | 確認する中身 |
|---|---|---|
| ① 手数料の種類 | ( ) | 上限制か届出制か。届出制なら、届け出た手数料表を見せてもらえるか |
| ② 料率または金額 | ( ) | 率か定額か。職種・年収帯で変わるか |
| ③ 算定の基礎 | ( ) | 基本給/固定残業代/毎月の手当/賞与見込み/通勤手当の5つを個別に |
| ④ 返金規定の期間 | ( )か月以内 | 入社日起算か、何日起算か |
| ⑤ 返金の割合 | ( )% | 期間に応じて段階があるか。自己都合と会社都合で違うか |
| ⑥ 支払時期 | ( ) | 内定時/入社時/入社後◯か月。締め日と支払日 |
| ⑦ 他に発生する費用 | ( ) | 受付手数料・求人掲載料・オプション。「無し」と書いてもらう |
使い方を3つ。
- ③は口頭で済ませない。「一般的な範囲」という答えが返ってきたら、5項目を1つずつ聞いて書面に残します
- ④と⑤はセットで見る。「3か月以内100%返金」と「6か月以内50%返金」は、どちらが有利かが採用の実態で変わります
- ⑦は「無し」を書いてもらう。空欄のままだと、後から別名目で請求される余地が残ります
2社以上から見積もりを取る場合は、この7項目をそろえた状態で並べてください。料率だけを並べた比較表は、意思決定の材料になりません。
POINT
7項目をそろえてから並べる。料率だけの比較表は意思決定の材料にならない。
依頼先の手数料表を自分で調べる方法
届出制を採っている事業者は、届け出た手数料表を示す義務があります。見積もりを待たなくても、先に調べられます。
- 厚生労働省の人材サービス総合サイトを開く
- 事業者名または許可番号(「13-ユ-◯◯◯◯◯◯」の形式)で検索する
- 事業所の詳細ページから、手数料表を開く
ここで分かるのは、その事業者が届け出ている上限の料率です。実際の見積もりはこの範囲内で提示されます。届け出た上限より高い額は請求できませんから、交渉の天井が先に分かることになります。
あわせて、許可番号そのものも確認してください。有料職業紹介は厚生労働大臣の許可が要る事業です。許可番号が提示できない相手とは契約しないのが前提になります。
なお、この記事では特定の事業者の料率は出していません。どの事業者を選ぶかで数字が変わり、相場としては示せないためです。調べ方だけを書いています。
→ 採用手法ごとの費用の全体像はエンジニア採用のコストはどう決まるか|内訳5つと見積もりシートにまとめています。
よくある質問
人材紹介の手数料は理論年収の何%が相場ですか
料率を集計した公的な統計はありません。国が集めているのは手数料の金額で、料率は報告項目に入っていないためです。かわりに実額なら分かります。令和6年度の常用就職1件あたりの手数料は約103万円(厚生労働省の集計・速報値)で、情報処理・通信技術者に絞ると概算で150万円前後でした。出どころの分からない料率の相場より、この実額を基準に見積もりを判断するほうが確実です。
法令では上限11%とありますが、35%の見積もりは違法ではないのですか
違法ではありません。手数料には上限制と届出制の2種類があり、11%の上限が効くのは上限制を採っている事業者だけです。届出制は、厚生労働大臣に届け出た手数料表の額を徴収できる仕組みで、法令に上限率の定めがありません。金額ベースで見ると、情報処理・通信技術者の手数料の99.6%が届出制です。実務で受け取る見積もりのほとんどは、こちらに当たります。
エンジニアの手数料が全職業の平均より高いのはなぜですか
理論年収が高いためです。手数料が率で決まる契約では、同じ料率でも年収が高いほど金額が大きくなります。令和6年度の集計では、全職業の平均が1件あたり約103万円だったのに対し、情報処理・通信技術者は概算で150万円前後でした。相場から外れているわけではないので、金額の大きさだけで交渉材料にはなりません。
見積もりで料率が同じなら、どこに頼んでも同じ金額ですか
違います。料率を掛ける相手である理論年収の定義が、契約ごとに違うためです。固定残業代や賞与見込みを含めるかどうかで、同じ料率でも請求額は十数万円変わります。基本給・固定残業代・毎月の手当・賞与見込み・通勤手当の5つについて、含むか含まないかを項目単位で確認し、書面に残してください。
依頼する前に、その会社の料率を知る方法はありますか
あります。届出制を採っている事業者は、届け出た手数料表を示す義務があります。厚生労働省の人材サービス総合サイトで、事業者名または許可番号から事業所の詳細ページを開くと、手数料表を確認できます。そこに書かれているのは届け出た上限なので、実際の見積もりはその範囲内で出てきます。交渉の天井が先に分かることになります。
未経験エンジニアの採用をお考えなら
1件あたり150万円前後という水準は、経験者を1人採るたびに発生します。複数名を計画しているなら、採用単価そのものを下げる方向も選択肢に入ります。
RaiseTech Talentは、未経験エンジニアに特化した人材紹介サービスです。当スクールの受講生について、何をどう学び、どこで詰まり、どう解決したかという学習の過程までお伝えできます。書類では見えにくい部分を判断材料としてお使いいただけます。
紹介できるのは、次の2コースの受講生です。AIエンジニア育成コースは、未経験からAI駆動開発を4か月で学んだ受講生。AWSコースは、クラウドインフラを学んだ受講生です。どちらの卒業生かは、ご紹介の際にお伝えします。
初期費用0円・完全成功報酬で、早期退職の際の返金規定も設けています。
まとめ|料率ではなく、実額と算定基礎で見る
この記事のポイントを3つにまとめます。
- 「料率の相場」は統計に無い。国が集めているのは金額です。令和6年度は常用就職1件あたり約103万円、情報処理・通信技術者は概算で150万円前後でした
- 法令の上限11%は、実務にはほぼ当てはまらない。エンジニアの手数料は金額ベースで99.6%が届出制で、届出制には上限率の定めがありません
- 比べるのは料率ではなく「料率 × 算定基礎」。返金規定と支払時期まで含めた7項目をそろえてから並べてください
費用の全体像はエンジニア採用のコストはどう決まるか、契約条項の読み方はエンジニア人材紹介の成功報酬とはにまとめています。
最速で稼ぐエンジニアリングスクール
- 月単価80万円超の現役エンジニアが講師
- 質問は回数無制限・内容不問、受講期間は半無期限
- Java・AWS・Web制作・マーケティングなど複数コース(受け放題プランあり)
- 卒業後も転職・案件獲得サポートを半無期限で継続
料金(税込)
798,000円〜学割あり
受講期間
半無期限
受講形式
オンライン


