本メディアはRaiseTech(PISTEC株式会社)が運営しています。
「AIエンジニアの求人を出しているが、応募が集まらない」
「要件を下げるべきなのか、下げたら何が起きるのか分かりません」
この記事は、そんな課題を持って「AIエンジニア 採用 未経験」と検索した採用担当者の方のために書きました。
結論から言うと、応募が集まらない原因の多くは、要件の中身ではなく「要件の割り方」にあります。AIの経験をMUST(必須)に置いたまま募集すると、母集団が極端に狭くなります。AI経験をWANT(歓迎)に落とし、代わりに「伸びる条件」をMUSTに置き直すと、見える景色が変わります。
この記事では、要件が狭くなる仕組み、MUST/WANTの割り直し方、そのまま使える要件定義シート、求人票での書き方、見極めの観点を解説します。
RaiseTech(レイズテック)は、受講者数2,500名超え!現役エンジニアが講師を務めるAIエンジニア育成のオンラインスクールです。未経験人材の育成と、企業さまへの紹介の両方を手がけてきた立場からお伝えします。
要件が狭くなる仕組み
AIエンジニアの要件は、放っておくと積み上がります。関係者が多いほど、それぞれの「あったほうがいい」が足されていくためです。

| 要件に足されやすいもの | 誰が足すか | 母集団への影響 |
|---|---|---|
| AI・機械学習の実務経験◯年 | 現場の技術者 | ここが最も効く。一気に狭くなります |
| 特定の技術の経験 | 現場の技術者 | 狭くなる。しかも入社後に変わることがあります |
| 業界知識 | 事業側 | 狭くなる。ただし教えられる範囲も多い |
| 学歴・専攻 | 人事・経営 | 狭くなる。職務との関係が説明しにくいことがあります |
| 年齢の幅 | 人事 | 狭くなる。書面に出さなくても運用で絞られることがあります |
1つずつは妥当に見えます。問題はすべてをMUSTに置いてしまうことです。条件を重ねるほど該当者は減り、該当した少数は他社とも競合します。
もう1つ、要件が積み上がる構造的な理由があります。要件を書く段階では、誰も「外す」判断に責任を持ちたくないためです。「念のため入れておく」が重なると、誰も意図していない狭さになります。だからこそ、項目ごとに「なぜMUSTなのか」を書く欄を作ることに意味があります。理由を書く作業そのものが、外す判断の根拠になります。
そして、要件を下げること自体が目的ではありません。基準を下げた採用は、入社後に別の問題を生みます。やるべきなのは、下げることではなく割り直すことです。
POINT
要件を「下げる」のではなく「割り直す」。AI経験をMUSTから外し、伸びる条件をMUSTに入れる。
MUST/WANTの割り直し方
判断の基準は1つです。「入社後に教えられるか、教えられないか」。教えられるものはWANT、教えられないものがMUSTです。

| 教えられる(→ WANT) | 教えにくい(→ MUST) | |
|---|---|---|
| 技術 | AI・機械学習の知識、特定の技術の扱い方 | プログラミングの基礎(まったくのゼロからは時間がかかる) |
| 仕事の進め方 | 社内の手順、使うツール | 分からないことを人に聞ける/期限を守る/報告する |
| 考え方 | 業界の知識、製品の知識 | うまくいかない原因を自分で探しにいく/結果を数字で見る |
| 伝え方 | 社内の言い回し | 自分がやったことを順序立てて説明できる |
右の列がMUSTの候補です。どれも技術の話ではありません。ここが満たされていれば、AIの知識は入社後に積めます。逆に右の列が欠けていると、技術があっても現場で伸びません。
特に3行目の「うまくいかない原因を自分で探しにいく」は、この職種では重く効きます。AIの仕事は、思ったとおりの結果が出ない時間が長いためです。原因を切り分けて次を試せる人かどうかは、選考で必ず見てください。
1行目の「プログラミングの基礎」をMUSTに置いている理由も書いておきます。まったくのゼロから教えると、立ち上がりに時間がかかりすぎるためです。ただし「実務経験」である必要はありません。独学でも、学校でも、前職で少し触っていたでも、自分が書いたコードを説明できるなら条件は満たします。ここを「実務経験」と書いた瞬間に、また母集団が狭くなります。
→ 見極めの基準はエンジニアのポテンシャル採用とは|評価基準と進め方でも扱っています。
そのまま使える要件定義シート
下の表をコピーして、自社の募集に合わせて埋めてください。関係者が集まる場に持っていくと、議論が「要るか要らないか」ではなく「MUSTかWANTか」に変わります。

| 項目 | 区分 | 基準(自社の言葉で埋める) | なぜこの区分か |
|---|---|---|---|
| プログラミングの基礎 | MUST | (例)自分で書いたコードを説明できる | ゼロから教えると時間がかかりすぎる |
| 詰まったときに聞ける | MUST | (例)30分調べて進まなければ相談できる | 教えにくい。立ち上がりの速さを左右する |
| 原因を自分で探しにいく | MUST | (例)うまくいかなかった経験を切り分けて話せる | AIの仕事は結果が出ない時間が長い |
| やったことを説明できる | MUST | (例)作ったものの構成と判断の理由を言える | 事業側への説明がそのまま業務になる |
| AI・機械学習の実務経験 | WANT | (例)あれば立ち上がりが早い | 入社後に積める。ここをMUSTにすると母集団が消える |
| 特定の技術の経験 | WANT | (例)自社で使っているものに触れていれば尚可 | 入社後に変わることもある |
| 業界・製品の知識 | WANT | (例)業務の背景が分かると早い | 教えられる |
| 学歴・専攻 | 区分しない | - | 職務との関係を説明できないなら要件に入れない |
使い方を3つ書いておきます。
- MUSTは4つまでに絞る。5つ以上になったら、どれかはWANTです。全部必須だと「全部欲しい」と同じ意味になります
- WANTは選考で加点に使う。足切りには使いません。ここを混同すると、結局MUSTと同じ働きをします
- 「なぜこの区分か」を必ず埋める。理由が書けない項目は、要件から外せる可能性が高い項目です
POINT
MUSTは4つまで。理由が書けない項目は要件から外す。WANTは加点にだけ使い、足切りに使わない。
求人票での書き方
要件を割り直したら、求人票の書き方も変わります。同じ内容でも、書き方で応募数は変わります。

| 項目 | 集まりにくい書き方 | 集まりやすい書き方 |
|---|---|---|
| 経験 | 「機械学習の実務経験3年以上」 | 「プログラミングの経験があれば、AIの実務経験は問いません」 |
| 仕事の中身 | 「AIを活用した開発業務」 | 何を作るのかを具体的に。応募者は仕事の中身で判断します |
| 育成 | 記載なし | 3か月後に何ができていてほしいかを書く。受け入れ体制があることの証明になります |
| チーム | 記載なし | 誰に教わるのか、何人のチームか。未経験ほどここを見ます |
| 使う技術 | 長い一覧 | 主なものだけ。一覧が長いほど「全部必要」と読まれます |
1行目が最も効きます。「実務経験は問いません」と明記するかどうかで、応募するかを決める人がいます。要件を割り直したなら、その結果を求人票にはっきり書いてください。書かなければ、応募者には伝わりません。
5行目も見落とされがちです。使う技術の一覧が長いほど、応募者は「全部できないと駄目だ」と読みます。実際には入社後に覚えるものが大半のはずです。主要なものだけを書き、残りは「入社後に習得していただきます」と添えるほうが、意図したとおりに伝わります。
3行目も効果があります。未経験で応募する人が最も不安なのは「放置されないか」です。3か月後の到達点が書かれていると、受け入れる側が考えていることが伝わります。
→ 到達点の決め方は未経験エンジニアの育成計画|3・6・12か月で戦力化する進め方にまとめています。
選考で見るもの、見なくていいもの
MUSTを4つに絞ったら、選考もその4つを見る設計にします。それ以外を見ると、結局要件が戻ります。

| 見るもの | どう見るか |
|---|---|
| 作ったものの説明 | 構成と、なぜその構成にしたか。完成度より判断の理由を聞いてください |
| うまくいかなかった経験 | 何が起きて、どう切り分けて、次に何を試したか。結果が出ていなくてかまいません |
| 詰まったときの動き方 | どのくらいで人に聞くか。これは実際の進め方の質問として聞けます |
| 学び方 | 何を見て覚えたか。独学の進め方に、自走できるかが出ます |
| 見なくていいもの | なぜか |
|---|---|
| 知識を問う質問 | 入社後に教えられる範囲です。ここで落とすと、伸びる人を取りこぼします |
| 制作物の見た目の完成度 | 時間をかければ上がります。見るのは判断の理由のほうです |
| 使った技術が自社と同じか | WANTの項目です。足切りに使わないでください |
1つめの表の2行目を特に推します。「うまくいかなかった経験」を聞くと、知識では分からない部分が見えます。原因を切り分けられる人は、入社後に自分で進めます。答えられない人は、成功した話しかしてこない傾向があります。
→ 面接での聞き方はエンジニアのポテンシャル採用とは、採用手法そのものの比較はエンジニアの採用手法を比較にまとめています。
POINT
知識を問う質問で落とさない。「うまくいかなかった経験」を聞くと、教えられない部分が見える。
よくある質問
AI経験をWANTに落とすと、現場が納得しないのですが
「下げる」と伝えると反発が出ます。伝え方を変えてください。MUSTから外すのは、入社後に教えられるからであって、不要だからではありません。あわせて、代わりにMUSTへ入れる4項目(基礎・聞ける・原因を探す・説明できる)を現場と一緒に決めると、納得が得られやすくなります。決めるときに現場を入れることが要点です。
未経験を採ると、現場の負担が増えませんか
増えます。そこを見込まずに採ると、採用した側も現場も苦しくなります。教える担当者を1人決め、その人の業務量を調整し、教える時間を工数に見込んでください。この3つが用意できないうちは、未経験の採用を進めないほうが結果的に早くなります。
どのくらいで戦力になりますか
前職の経験、扱う技術、受け入れ側の体制で大きく変わるため、標準的な期間は示せません。設計の単位としては3か月・6か月・12か月で区切り、それぞれの到達点を1文で決める方法が扱いやすくなります。3か月の時点で想定とずれていたら、本人ではなく計画のほうを調整してください。
求人票にどこまで書けばよいですか
最低限、次の4つを書いてください。AIの実務経験が必須かどうか、何を作る仕事か、3か月後に何ができていてほしいか、誰に教わるのか。未経験の応募者が判断に使うのはこの4つです。使う技術の一覧を長く書くより、この4つを具体的に書くほうが応募につながります。
未経験エンジニアの採用をお考えなら
要件を割り直し、求人票を書き換えても、応募してきた人の「伸びる条件」は書類からは読み取りにくいのが実際のところです。作ったものは見えても、その人がどこで詰まり、どう抜けたかまでは書かれていません。
RaiseTech Talentは、未経験エンジニアに特化した人材紹介サービスです。当スクールの受講生について、何をどう学び、どこで詰まり、どう解決したかという学習の過程までお伝えできます。この記事でMUSTに置いた4項目のうち、書類では見えにくい部分を判断材料としてお使いいただけます。
紹介できるのは、次の2コースの受講生です。AIエンジニア育成コースは、未経験からAI駆動開発を4か月で学んだ受講生。AWSコースは、クラウドインフラを学んだ受講生です。どちらの卒業生かは、ご紹介の際にお伝えします。
初期費用0円・完全成功報酬で、早期退職の際の返金規定も設けています。
まとめ|下げるのではなく、割り直す
この記事のポイントを3つにまとめます。
- 応募が集まらない原因は、要件の割り方。AIの実務経験をMUSTに置いたままだと母集団が極端に狭くなります。やるべきなのは下げることではなく、割り直すことです。
- 判断の基準は「入社後に教えられるか」。AIの知識は教えられるのでWANT。基礎・聞ける・原因を探す・説明できる、の4つは教えにくいのでMUSTです。MUSTは4つまでに絞ってください。
- 割り直したら、求人票に書く。「AIの実務経験は問いません」と明記し、何を作るのか、3か月後の到達点、誰に教わるのかを添える。書かなければ応募者には伝わりません。
採用の進め方はエンジニアのポテンシャル採用とは、採ったあとの設計は未経験エンジニアの育成計画にまとめています。
最速で稼ぐエンジニアリングスクール
- 月単価80万円超の現役エンジニアが講師
- 質問は回数無制限・内容不問、受講期間は半無期限
- Java・AWS・Web制作・マーケティングなど複数コース(受け放題プランあり)
- 卒業後も転職・案件獲得サポートを半無期限で継続
料金(税込)
798,000円〜学割あり
受講期間
半無期限
受講形式
オンライン


