「未経験の候補者を、何を基準に判断すればいいのか分かりません」
「熱意は伝わるのですが、入社後に伸びるかどうかが読めません」
この記事は、そんな課題を持って「未経験エンジニア 見極め」と検索した採用担当者の方のために書きました。
結論から言うと、未経験採用で見るべきは「いま何ができるか」ではなく「学習の過程に自走の跡があるか」です。経験者と同じ物差しを当てると、全員が同じに見えてしまいます。
この記事では、経験者と同じ基準が使えない理由、見るべき3つの材料、学習の過程と制作物の具体的な確認点、面接で自走力を確かめる質問、そして見極めの精度を上げる選考フローの組み方を解説します。
RaiseTech(レイズテック)は、受講者数2,500名超え!現役エンジニアが講師を務めるAIエンジニア育成のオンラインスクールです。未経験人材の育成と、企業さまへの紹介の両方を手がけてきた立場からお伝えします。
経験者と同じ物差しが使えない理由
未経験採用でつまずく最大の原因は、判断材料が足りないことではなく、材料の種類が違うことです。

経験者の選考では、職務経歴書に「何を担当し、どんな成果を出したか」が並びます。これを読めば、任せられる範囲がある程度見えます。一方、未経験の候補者の履歴書には、その欄がありません。
| 経験者 | 未経験者 | |
|---|---|---|
| 主な材料 | 職務経歴書・担当範囲・成果 | 学習の過程・制作物 |
| 確かめること | いま何ができるか | どう学び、どう詰まりを越えたか |
| 読み取りの難しさ | 経歴の粉飾を見抜く | 意欲と自走力を区別する |
| 入社後の前提 | 早期に戦力化 | 立ち上がりの期間を見込む |
3行目が実務上いちばん難しいところです。未経験の候補者はほぼ全員が「やる気があります」と言います。面接の場での意欲は差がつきにくく、そこを基準にすると印象で決めることになります。
意欲と自走力は別のものです。意欲は「やりたい気持ち」、自走力は「詰まったときに自分で動けるか」。後者は行動の履歴に残るので、材料さえあれば確かめられます。
4行目も、選考の設計に関わります。経験者は入社後すぐに担当を持てますが、未経験者は立ち上がりの期間が前提です。その期間を誰がどう支えるかを決めずに採用すると、本人の適性とは無関係に失速します。見極めの話をする前に、受け入れ体制のほうを確認しておいてください。
→ 未経験採用の全体像は未経験エンジニア採用ガイドにまとめています。
見るのは3つ|学習の過程・制作物・人柄
未経験の候補者について確かめられることは、この3つに集約されます。

| 材料 | 分かること | 確認の方法 |
|---|---|---|
| 学習の過程 | 継続力、詰まりの越え方、時間の作り方 | 学習記録、コミットの履歴、受講歴 |
| 制作物 | 設計の判断、読み手への配慮、完成させる力 | 公開されたコードと説明文 |
| 人柄 | チームへの適合、報告と相談のしかた | 面接での受け答え、逆質問 |
3つのうち、最も見落とされているのが1つ目の「学習の過程」です。制作物と面接だけで判断すると、完成品の見栄えと話し方で決まってしまいます。
学習の過程には、その人がどう働くかが表れます。毎日少しずつ進めた人と、締切前にまとめてやった人では、入社後の動き方も変わります。ここは本人の申告ではなく、記録で確かめてください。
なお、この3つが最初からそろっている候補者は多くありません。どれか1つしか無い場合は、無いものを面接で補うという考え方で設計します。
もう1点、3つを同じ重みで見ないことも大切です。職種や配属先によって、重みは変わります。1人で黙々と進める業務が多いなら学習の過程の比重を上げ、顧客と話す機会が多いなら人柄の比重を上げる。自社で先に決めておくと、面接官ごとの判断のばらつきが減ります。
学習の過程|どこを見るか
期間の長さではなく、続け方と詰まりの越え方を見ます。

- ① 空白期間の出方:まったく途切れないことより、途切れたあとに戻っているかを見ます。働きながらなら途切れて当然です
- ② 詰まったときの記録:何が起きて、何を調べ、どう解決したか。ここが残っている人は、入社後も自分で動けます
- ③ 学ぶ範囲の広げ方:与えられた教材だけで終わったか、必要になって自分で調べた形跡があるか
- ④ 時間の作り方:本業や家庭のある中で、どう時間を確保したか。ここは働き方の相性にも関わります
①について補足します。「毎日欠かさず学習しました」という申告は、確かめようがありません。それより、2週間止まった時期があって、その後また戻っている記録のほうが情報量があります。なぜ止まり、なぜ戻れたのかを面接で聞けます。
②は、面接での質問に直結します。詰まった経験を具体的に話せる候補者は、その経験を言語化できているということです。言語化できている人は、入社後も「何が分からないか」を説明できます。これは受け入れ側の負担を大きく左右します。
③についても補足します。教材の範囲を終えただけの人と、そこで出てきた分からない語を自分で調べて広げた人では、入社後の伸び方が変わります。「教材に出てこなかったけれど調べたこと」を1つ挙げてもらうと、その差が見えます。
学習の記録が手元に無い候補者もいます。その場合は、面接で「直近1か月で一番手こずったこと」を具体的に聞いてください。答えの解像度で、記録の代わりになります。
制作物|完成度ではなく判断を見る
見栄えのよさは、時間をかけるか参考にした資料の質で決まります。見るべきは別のところです。

| 見る場所 | 読み取れること |
|---|---|
| 題材を誰が決めたか | 課題として与えられたものか、自分で決めたものか。ここが最初の分かれ目 |
| 説明の文章 | 何ができて何ができないかを書けているか。読み手を想定できているか |
| 変更の履歴 | 一度に大量に書いたか、少しずつ積み上げたか。作業の進め方が出ます |
| 作り直した形跡 | 途中で設計を変えた跡があるか。変えられる人は、指摘も受け止められます |
| 動かし方の手順 | 他人が動かせる状態か。ここは相手への配慮がそのまま出ます |
1行目が最も重要です。スクールの課題をそのまま出している場合、判断材料としての価値は大きく下がります。同じ課題を全員が提出するため、差が出ません。「課題のあとに、自分で決めて作ったものがあるか」を確認してください。
4行目の「作り直した形跡」は、見落とされがちですが有力な材料です。一度書いたものを捨てて作り直すのは、自分の判断が間違っていたと認めることです。これができる人は、入社後のコードレビューでも指摘を受け止められます。逆に、最初に書いた形のまま最後まで来ている制作物は、設計を見直す機会が無かった可能性があります。
技術的な評価は、社内のエンジニアに30分だけ見てもらうのが効率的です。採用担当だけで判断しようとすると、見栄えに引っ張られます。逆に、エンジニアだけに任せると技術水準だけで切られやすいので、上の表の観点を渡したうえで見てもらう形が機能します。
→ 紹介経由で候補者を見る場合の違いは未経験エンジニアの人材紹介とはにまとめています。
面接|自走力を確かめる質問
「なぜエンジニアになりたいのですか」では、用意された答えしか返ってきません。

| 差がつく質問 | 何を見ているか |
|---|---|
| 直近で一番手こずったのは何ですか。どう解決しましたか | 詰まりの越え方。調べ方の具体性 |
| その制作物で、作らなかった機能はありますか。なぜですか | 判断の筋道。捨てる決断ができるか |
| いま同じものを作り直すなら、どこを変えますか | 自分の成果を客観視できるか |
| 分からないことが出たとき、どのくらい1人で考えますか | 報告と相談のタイミング感 |
| 学習で止まった時期はありますか。どう再開しましたか | 継続の型。挫折からの戻り方 |
質問の順番も効きます。最初に制作物の話から入ると、候補者の緊張がほぐれて答えの解像度が上がります。志望動機から始めると、用意してきた文章を読み上げる時間になりがちです。自分がやったことの話から始めてください。
共通しているのは、どれも「うまくいかなかったこと」を聞いている点です。成功体験は準備されていますが、失敗の扱い方は準備しにくく、その人の実際の動き方が出ます。
一方、差がつきにくい質問もあります。「なぜこの業界を選んだのですか」「意気込みを聞かせてください」は、ほぼ全員が同じ方向の答えを返します。動機の確認として必要なら聞いても構いませんが、これで優劣をつけないでください。
4行目は入社後に直結する質問です。「分かるまで自分で調べます」という答えは、受け入れ側から見ると必ずしも良い答えではありません。抱え込まれると気づけないからです。「30分調べて進まなければ聞きます」のように、自分の基準を持っている答えのほうが、現場では扱いやすくなります。
選考フロー|見極めの精度を上げる組み方
1回の面接で判断しようとすると、印象に寄ります。材料を集める順番を設計してください。

| 段階 | やること | 判断しないこと |
|---|---|---|
| 1. 書類 | 制作物のURLと、学習の記録を提出してもらう | ここで技術水準を判定しない |
| 2. 事前確認 | エンジニアが30分で制作物を見て、聞くべき点を3つ出す | 点数をつけない |
| 3. 面接 | 2で出た点を本人に聞く。上の質問と組み合わせる | 意欲の強さで比べない |
| 4. 判断 | 自走の跡・言語化・チームへの適合の3軸で合議する | 1人の印象で決めない |
2段階目を入れるかどうかで、面接の質が変わります。事前に制作物を見ておくと、面接が「一般的な質問」から「その人固有の質問」に変わります。候補者にとっても、自分の作ったものについて話せるほうが実力が出ます。
4段階目では、評価の軸を決めてから合議してください。軸が無いまま話し合うと、声の大きい人の印象で決まります。自走の跡があるか、自分のやったことを説明できるか、チームの進め方と合いそうか。この3つを別々に出し合うだけでも、判断は安定します。
もう1つ、不合格にした理由を残しておくことをおすすめします。「なぜ見送ったか」を言語化しておくと、次の選考で基準がぶれません。未経験採用は判断が難しいぶん、社内で基準を育てていく必要があります。数回分の記録がたまると、自社にとっての「伸びる人」の輪郭が見えてきます。
そして、未経験採用では立ち上がりの期間を見込んだうえで判断することが前提になります。入社時点の技術水準で比べると、そもそも未経験採用をする意味が薄れます。
→ 採用手法ごとの違いはエンジニアの人材紹介サービス比較、募集の出し方はエンジニアの求人媒体を比較にまとめています。
未経験エンジニアの採用をお考えなら
ここまで見てきたとおり、未経験採用の精度は「どれだけ材料がそろっているか」で決まります。ところが実際には、履歴書と数十分の面接しか材料が無いまま、意欲と人柄で判断せざるを得ないことがほとんどです。
RaiseTech Talentは、未経験エンジニアに特化した人材紹介サービスです。RaiseTech(レイズテック)で実務を想定したカリキュラムを学んだ受講生の中から、企業の採用要件に合う人材をご紹介します。
- 学習過程・制作物・人柄の3つを採用判断の材料としてご確認いただけます
- 初期費用0円・完全成功報酬型。採用が決定するまで費用は発生しません
- 早期退職時の返金制度があります
- 選考は貴社のフローのまま。全国の企業さまにご利用いただけます
採用した企業の事例
クラウドインテグレーションを手がけるアイレット株式会社様では、業界経験者の採用が難しく、未経験採用を始めたものの内製カリキュラムが業界の変化に追随できないという課題がありました。
RaiseTechの受講生を複数名採用した決め手は、「高難度のカリキュラムをやり抜いた自走力・学習力」と、学習背景が可視化されていて採用判断がしやすかったことです。採用した人材は半年でグループリーダーに昇進し、教育コストも大きく下がったとのことでした。
紹介できるのは、次の2コースの受講生です。AIエンジニア育成コースは、未経験からAI駆動開発を4か月で学んだ受講生。AWSコースは、クラウドインフラを学んだ受講生です。どちらの卒業生かは、ご紹介の際にお伝えします。
まとめ|見るのは「いまの技術」ではなく「自走の跡」
この記事のポイントを3つにまとめます。
- 意欲と自走力は別のもの。意欲は面接で差がつきませんが、自走力は学習の記録と制作物という行動の履歴に残ります。
- 制作物は完成度ではなく判断を見る。題材を誰が決めたか、作らなかった機能は何か、作り直した跡があるか。ここに差が出ます。
- 1回の面接で決めない。書類で材料を集め、エンジニアが事前に見て、その人固有の質問を用意する。この順番だけで精度が変わります。
未経験採用そのものの進め方は未経験エンジニア採用ガイド、紹介サービスを使う場合は未経験エンジニアの人材紹介とはをご覧ください。
最速で稼ぐエンジニアリングスクール
- 月単価80万円超の現役エンジニアが講師
- 質問は回数無制限・内容不問、受講期間は半無期限
- Java・AWS・Web制作・マーケティングなど複数コース(受け放題プランあり)
- 卒業後も転職・案件獲得サポートを半無期限で継続
料金(税込)
798,000円〜学割あり
受講期間
半無期限
受講形式
オンライン


