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「経験者の募集を出しても、応募がほとんど来ない」
「未経験を採るしかないと思うが、育てられる自信がない」
この記事は、そんな課題を持って「未経験エンジニア 採用」と検索した採用担当者の方のために書きました。
結論から言うと、未経験エンジニアの採用は、母集団と採用コストの問題を解く手段としては有効です。ただし成立するのは「見極めの材料を持てる場合」と「入社後3か月を設計できる場合」に限られます。
この記事では、経験者採用との構造的な違い、メリットとリスク、採用手法ごとの費用の出方、選考での見極め方、入社後の育成計画までを一通り解説します。自社で未経験採用に踏み切るべきかどうかを判断できる状態を目指します。
RaiseTech(レイズテック)は、受講者数2,500名超え!現役エンジニアが講師を務めるAIエンジニア育成のオンラインスクールです。未経験人材の育成と、企業さまへの紹介の両方を手がけてきた立場からお伝えします。
未経験エンジニア採用とは|いま検討する企業が増えている理由
未経験エンジニア採用とは、実務経験のない人材を、入社後に育てる前提で採用することを指します。第二新卒や異業種からの転職者、プログラミングスクールの修了者などが対象になります。
検討する企業が増えている背景には、経験者採用だけでは枠が埋まらないという事情があります。理由は3つです。

1つ目は、母集団がそもそも小さいことです。実務経験のあるエンジニアの多くはすでに就業しています。転職市場に出てきた時点で、複数社が同時に動くため、選考のスピードと条件の両方で競うことになります。
2つ目は、条件勝負になりやすいことです。経験者は複数社を比較できる立場にあるため、提示年収・知名度・技術環境といった条件で比較されます。この土俵では、採用予算や知名度で差がつきやすくなります。
3つ目は、需要が増え続けていることです。経済産業省「IT人材需給に関する調査」では、AI人材は2030年に最大12.4万人が不足すると試算されています。供給が追いつかない前提で採用計画を立てる必要があります。
この3つが重なると、経験者だけを追いかける採用は、時間をかけても決まらないという結果になりがちです。未経験採用は、その状況で母集団そのものを作り直す打ち手として位置づけられます。
「未経験」にも幅がある
ひとくちに未経験といっても、社内で扱いはまったく変わります。求人票を書く前に、自社が対象にするのはどれかを決めておくと、選考の基準がぶれません。
| タイプ | 状態 | 採用側の前提 |
|---|---|---|
| 完全未経験 | 学習歴もほぼない | 入社後に学習から始める。期間は長めに見る |
| 学習経験あり | 独学やスクールで学習し、制作物がある | 環境構築や基本文法は済んでいる前提で見られる |
| 業界未経験 | IT以外の職種で社会人経験がある | 業務知識や顧客対応は即戦力になることがある |
| 職種未経験 | ITにはいるが開発は未経験 | 用語と文化を知っている分、立ち上がりが早い |
この記事では主に「学習経験あり」と「業界未経験」を想定して解説します。採用の現場でもっとも母集団が作りやすく、見極めの材料も取りやすい層だからです。
経験者採用との違い|安い・高いではなくコストの置き場所が変わる
未経験採用を「安く済ませる採用」と捉えると、たいてい失敗します。正しくは、コストの出る場所が採用前から採用後に移るという理解です。

経験者採用は、決まるまでの費用と時間が大きくなります。そのかわり、入社後の立ち上がりは早く、現場の負担は小さくて済みます。
未経験採用はその逆です。母集団を作りやすく、決まるまでの期間も比較的読みやすい一方で、入社後に教える時間が必ず発生します。この時間は現場のエンジニアの工数であり、目に見えにくいコストです。
| 比較軸 | 経験者採用 | 未経験採用 |
|---|---|---|
| 母集団 | 小さい。競合が多い | 作りやすい |
| 決まるまで | 長期化しやすい | 比較的読みやすい |
| 採用時の費用 | 大きくなりやすい | 相対的に小さい |
| 入社後の負担 | 小さい | 大きい。教える時間が要る |
| 戦力化 | 数週間〜数か月 | 半年〜1年を見込む |
| 定着 | 条件次第で動きやすい | 育てた分、関係が深くなりやすい |
つまり、判断の分かれ目は「育てる余力が社内にあるか」の一点です。教えられる人が誰もいない状態で採用だけ進めると、採用した本人も現場も消耗します。
なお、未経験採用でも提示年収をむやみに下げるのは得策ではありません。エンジニア職の相場観は候補者側も調べています。職種ごとの水準はAIエンジニアの年収にまとめています。
未経験エンジニアを採用するメリット5つ
未経験採用には、経験者採用では得られない利点があります。5つに整理します。
| メリット | 内容 | |
|---|---|---|
| ① | 母集団を作れる | 経験者と取り合わない層にアプローチできる。応募が集まらない状態から抜け出せる |
| ② | 採用までの費用を抑えやすい | 条件競争になりにくく、決まるまでの期間も読みやすい |
| ③ | 自社のやり方に沿って育つ | 前職の開発文化との摩擦が起きにくい。レビュー文化や設計方針を最初から共有できる |
| ④ | 定着しやすい | キャリアの転機を一緒に越えた相手との関係は続きやすい |
| ⑤ | 将来の中核を内製できる | 数年後にリーダー層が育つ。採用し続けるより持続しやすい |
③と⑤は、数年単位で効いてくる
短期的に大きいのは①と②ですが、事業として効いてくるのは③と⑤です。経験者を都度採用し続ける形は、採用市場の状況に業績が左右されます。育てる導線を一度作っておくと、次の採用からは再現性が生まれます。
実際に、RaiseTechの受講生を複数名採用し、採用した人材が半年でグループリーダーに昇進した企業もあります(事例は後述します)。
ただし、これらのメリットはいずれも「受け入れ体制があること」が前提です。次章でリスクの側を見ていきます。
未経験採用のリスク|減らせるものと、引き受けるもの
未経験採用のリスクは4つに集約できます。重要なのは、このうち3つは選考と受け入れの設計で減らせるという点です。

減らせるリスク1|入社後にミスマッチが分かる
もっとも痛いのは、入社してから「思っていた人材ではなかった」と分かることです。原因の多くは、選考で見ていた材料が意欲と人柄しかなかったことにあります。学習の過程と制作物を選考に組み込むと、この不一致は大きく減らせます。詳しくは後の章で解説します。
減らせるリスク2|教える人の時間が取られる
現場のエンジニアが質問対応に追われると、既存の開発が止まります。ただしこれは最初の3か月に集中する負担です。あらかじめ「誰が」「週に何時間」「何を教えるか」を決めておけば、青天井にはなりません。
減らせるリスク3|早期離職で振り出しに戻る
未経験入社の離職は、期待値のズレから起きることがほとんどです。「最初の半年は地味な改修が中心になる」「AIを使った開発に関われるのは基礎を押さえてから」といった話を、面接の段階で正直に伝えておきます。入社後に伝えると、話が違うという受け取られ方をします。
引き受けるリスク|戦力化までの時間
これだけは消せません。個人差はありますが、ひとりで機能を任せられるようになるまでに半年から1年はかかります。この期間を見込めない採用計画であれば、未経験採用は選ばないほうが結果的に安く済みます。
言い換えると、未経験採用に向くのは「半年後・1年後の人員計画を立てている会社」です。今月の欠員を埋める手段ではありません。
採用手法の選び方|費用の出るタイミングで決める
未経験採用でどの手法を使うかは、金額の大小ではなく「採用に至らなかったときに何が残るか」で考えると整理できます。

| 手法 | 費用の出方 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 求人媒体 | 掲載時に先払い | 母集団を一気に広げたいとき | 採れなくても戻らない。応募対応の工数が要る |
| ダイレクトリクルーティング | 利用料+自社工数 | 要件が明確で、送る人手があるとき | 返信が来なければ工数だけが残る |
| 人材紹介(成功報酬) | 採用が決まってから | 採用の確度を優先したいとき | 返金規定の有無で実質負担が変わる |
| リファラル | 報奨金のみ | 社内にエンジニアがいるとき | 件数が読めない。つながりの外には届かない |
| 新卒・インターン | 年間計画の中で発生 | 長期の人員計画があるとき | 入社までの期間が長い |
未経験採用は「決まってから払う」手法と相性がよい
未経験採用は、候補者の見極めに手間がかかる分、決まるまでの確度が読みにくくなります。掲載課金のように先に費用が出る手法だと、空振りがそのまま損失になります。
一方、成功報酬型の人材紹介であれば、採用が決まるまで費用は発生しません。契約前に確認しておきたいのは次の3点です。
- 費用が発生するタイミング(内定時か、入社確定時か)
- 早期退職時の返金規定の有無と条件
- 紹介される人材の出自(転職市場から集めているのか、育成機関からの紹介か)
3点目は、未経験採用ではとくに重要です。育成機関からの紹介であれば、後述する「学習の過程」が判断材料として残っているためです。
見極め方|履歴書と面接だけでは足りない3つの材料
未経験採用でもっとも難しいのが見極めです。職務経歴がない以上、過去の実績から判断することができません。
ここで多くの企業が、意欲と人柄だけで判断せざるを得ない状態に陥ります。しかし、未経験者にも見られる材料は3つあります。

材料1|学習の過程
何を作ったかより、どこで詰まって、どう調べて、どう直したかのほうが多くを語ります。調査・実装・検証・改善のサイクルを自分で回せているかどうかは、入社後の自走力にそのまま直結します。
確認のしかたは難しくありません。制作物について「一番苦労したところはどこですか」「そのときどう調べましたか」と聞けば、過程を持っている人は具体的に答えます。
材料2|制作物
動くものがあるかどうかを見ます。あわせて、なぜその構成にしたのかを本人が説明できるかを確かめてください。教材をなぞっただけの場合、構成の理由は出てきません。
コードが読める社員が1人いれば、コミット履歴やREADMEからも判断できます。学習者がどのようにポートフォリオを作っているかはAIエンジニアのポートフォリオ作り方で解説しています。
材料3|継続の実績
仕事や家庭と両立しながら、学習を最後まで続けられたかどうかです。期間と頻度で見ます。数か月にわたって手を動かし続けた事実は、入社後にも同じ形で現れます。
面接で聞く質問の例
| 確かめたいこと | 質問の例 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 自走力 | 詰まったとき、最初に何をしますか | 手順が具体的か。人に聞く前の動きがあるか |
| 設計の理由 | その構成を選んだ理由を教えてください | 比較検討の跡があるか |
| 継続 | 学習の時間はどう確保していましたか | 生活の中に組み込めているか |
| 期待値 | 入社後の半年間をどう想像していますか | 地道な期間を織り込めているか |
| 伸びしろ | 直近で新しく覚えたことは何ですか | 学習が現在進行形か |
逆に、志望動機の熱量や「頑張ります」という言葉は、判断材料としては弱いものです。未経験の候補者はほぼ全員が意欲を示します。差がつくのは過程のほうです。
採用後|3・6・12か月で戦力にする受け入れ設計
未経験採用は、内定を出した時点では半分も終わっていません。むしろ入社後の設計のほうが結果を左右します。

最初の3か月|環境に慣れる
この時期の目標は、開発環境・レビュー文化・社内用語に慣れることです。小さな改修をひとりで完了できれば十分です。
- 質問していい相手と時間帯を、最初の日に決めておく
- 週1回の1on1で、詰まっている箇所を早めに拾う
- 最初のタスクは「1日で終わる大きさ」から渡す
離職がもっとも起きやすいのもこの3か月です。放置されている、と感じさせないことが最大の対策になります。
3〜6か月|任せられる範囲を作る
機能単位で、設計から実装までを任せ始めます。レビューの指摘が減ってくれば順調です。担当領域を1つ持たせると、責任感と当事者意識が変わります。
6〜12か月|戦力として数える
見積もりと段取りが自分で立てられ、後輩の質問に答えられる状態を目指します。この段階で評価とキャリアの見通しを示すことが、その後の定着に効きます。
| 時期 | 到達目標 | 会社側がやること |
|---|---|---|
| 〜3か月 | 小さな改修を独力で完了 | 質問先の明示/週1の1on1/タスクの粒度調整 |
| 〜6か月 | 機能単位で設計から実装まで | 担当領域を1つ渡す/レビュー基準の共有 |
| 〜12か月 | 見積もりと段取りが立つ | 評価の提示/次のキャリアの提示 |
なお、学習者の側がどこでつまずきやすいかを知っておくと、受け入れの設計が具体的になります。未経験からAIエンジニアになれる?では、学ぶ側の視点でつまずきの構造を解説しています。
未経験エンジニアの採用をお考えなら
ここまで見てきたとおり、未経験採用の成否は「見極めの材料をどれだけ持てるか」と「入社後の3か月を設計できるか」で決まります。とはいえ、履歴書と数十分の面接だけで学習の過程まで確かめるのは、現実には難しいところです。
RaiseTech Talentは、未経験エンジニアに特化した人材紹介サービスです。RaiseTech(レイズテック)で実務を想定したカリキュラムを学んだ受講生の中から、企業の採用要件に合う人材をご紹介します。
- 学習過程・制作物・人柄の3つを採用判断の材料としてご確認いただけます
- 初期費用0円・完全成功報酬型。採用が決定するまで費用は発生しません
- 早期退職時の返金制度があります
- 選考は貴社のフローのまま。全国の企業さまにご利用いただけます
採用した企業の事例
クラウドインテグレーションを手がけるアイレット株式会社様では、業界経験者の採用が難しく、未経験採用を始めたものの内製カリキュラムが業界の変化に追随できないという課題がありました。
RaiseTechの受講生を複数名採用した決め手は、「高難度のカリキュラムをやり抜いた自走力・学習力」と、学習背景が可視化されていて採用判断がしやすかったことです。採用した人材は半年でグループリーダーに昇進し、教育コストも大きく下がったとのことでした。
紹介できるのは、次の2コースの受講生です。AIエンジニア育成コースは、未経験からAI駆動開発を4か月で学んだ受講生。AWSコースは、クラウドインフラを学んだ受講生です。どちらの卒業生かは、ご紹介の際にお伝えします。
まとめ|未経験採用は「見極め」と「最初の3か月」で決まる
この記事のポイントを3つにまとめます。
- 未経験採用はコストが安い採用ではなく、コストの出る場所が後ろにずれる採用です。採用前の負担が減るかわりに、入社後に教える時間が発生します。
- リスクの4つのうち3つは、選考と受け入れの設計で減らせます。減らせないのは戦力化までの時間だけです。半年から1年を見込めるかどうかが、可否の分かれ目になります。
- 見極めの鍵は、学習の過程・制作物・継続の実績の3つです。意欲と人柄だけで判断している限り、ミスマッチは減りません。
未経験採用は、経験者採用が難しくなった今、母集団を作り直すための現実的な選択肢です。判断に必要なのは、見極めの材料と、戦力化までの時間の見込み。この2つだけです。
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