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未経験エンジニアがきついのはなぜ?20代に多いのは量より失敗と責任

「未経験からエンジニアになったけど、きつい」
「入る前から、きついという話ばかり出てくる」

「きつい」はひとことですが、中身は人によってまったく違います。量が多いのか、失敗が怖いのか、人間関係なのか。混ざったままだと、打ち手も決まりません。

この記事では、厚生労働省の労働安全衛生調査を使って、働く人が何をきついと感じているかを内容別・年齢別に分けます。先に結論を書きます。

20代でいちばん多いのは「仕事の失敗、責任の発生等」で60.8%。全体の39.5%より20ポイント以上高い水準です。「仕事の量」の51.6%より多く、量より先に効いています。そして、この項目は年齢が上がるほど下がります。

以下、内容別の内訳、年齢での入れ替わり、未経験のエンジニアに当てはめたときの見え方、下げられるものと下げられないものの順に書きます。

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目次

「きつい」は、公的調査で内容別に分かれている

感覚の話に見えますが、国の調査で毎年同じ項目に分けて集計されています。

厚生労働省の労働安全衛生調査では、強い不安・悩み・ストレスと感じる事柄がある労働者は67.5%(令和7年調査。前年は68.3%)。その人たちが何をきついと感じているかが、次の内訳です。

強いストレスの内容別。仕事の量39.5%と仕事の失敗・責任の発生等39.5%が最多

強いストレスの内容(主なもの3つ以内) 令和7年 令和6年
仕事の量 39.5% 43.2%
仕事の失敗、責任の発生等 39.5% 36.2%
対人関係(セクハラ・パワハラを含む) 32.9% 26.1%
仕事の質 30.7% 26.4%
顧客、取引先等からのクレーム 22.1% 20.7%
会社の将来性 20.5% 22.2%
役割・地位の変化等(昇進・昇格、配置転換等) 17.7% 19.8%
雇用の安定性 7.6% 11.2%
事故や災害の体験 2.9% 3.5%

全体では「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」が同率の1位です。割合は、強いストレスと感じる事柄がある労働者を100としたものです。

ここで注意です。この調査は全産業・全職種が対象で、エンジニアに限ったものでも未経験者に限ったものでもありません。使えるのは「働く人全体で、きつさの中身がどう分かれているか」までです。

20代でいちばん多いのは「失敗と責任」60.8%

年齢階級で切ると、全体の平均とは別の姿が出ます。

20代は仕事の失敗・責任の発生等60.8%が最多。年齢が上がるほど下がる

年齢 事柄がある 失敗・責任 仕事の量 対人関係 仕事の質 会社の将来性
20〜29歳 72.0% 60.8% 51.6% 26.1% 21.8% 14.5%
30〜39歳 69.0% 45.7% 43.0% 37.1% 25.8% 28.9%
40〜49歳 71.5% 32.5% 38.9% 36.8% 31.8% 19.9%
50〜59歳 66.0% 28.6% 34.6% 31.5% 40.6% 21.2%
60歳以上 54.5% 39.6% 27.3% 28.5% 26.4% 13.0%
合計 67.5% 39.5% 39.5% 32.9% 30.7% 20.5%

20代の「失敗・責任」は60.8%で、全体の39.5%を21.3ポイント上回っています。そして50代では28.6%まで下がります。20代から50代にかけて、ほぼ半分になります。

「仕事の量」も同じ向きです。20代51.6% → 50代34.6%。量も失敗も、若いうちほど重く感じられています。

逆向きの項目もあります。「仕事の質」は20代21.8% → 50代40.6%と、年齢とともに上がります。「対人関係」も20代26.1%が最も低く、30代37.1%で最も高くなります。

つまり「きつい」の中身は年齢で入れ替わります。経験が浅いときは失敗と量、経験が長くなると質と対人関係です。

未経験のエンジニアに当てはめるとどう見えるか

ここから先は、調査の数字ではなく仕組みの説明です。上の表はエンジニアに限ったものではないので、当てはめ方だけを書きます。

調査の項目 未経験のエンジニアで、それが何として現れるか
仕事の失敗、責任の発生等 レビューで指摘が返る。自分の変更で動かなくなる。結果がその場で、他人にも見える形で出る
仕事の量 業務と学習が同時に走る。定時後に学習時間を足す分、総量が増える
仕事の質 最初は「正しく動くか」だけ。設計や保守性を問われるのは後から
対人関係 質問できる相手がいるかで大きく変わる。20代で最も低い項目でもある

1つ目が、エンジニアという仕事の構造と特にかみ合います。コードは動くか動かないかがはっきり出ます。レビューという、他人に見てもらう工程も必ず入ります。失敗が可視化される回数が、他の職種より多い仕事です。

これは裏返すと、上達の速さの理由でもあります。何が間違っていたかがその場で分かるので、直せます。きつさと伸びが同じ仕組みから出ています。

入った後に実際に何が起きるかは未経験エンジニアの現実、「やめとけ」と言われる理由の分解は「AIエンジニアはやめとけ」7つの理由にまとめています。

下げられるもの、下げられないもの

全部は下げられません。分けてください。

項目 下げられるか どうやって
失敗・責任 頻度は下げられない。重さは下げられる 影響範囲の小さいところから任せてもらう。レビュー前に自分で確認する手順を決める
仕事の量 下げられる 業務と学習の時間を分ける。学習は入社前に前倒しするほど、入社後の総量が減る
対人関係 場所を変えれば下がる 質問できる相手がいるかを、入る前に面談で確かめる
仕事の質 いまは下げなくてよい 20代で21.8%と低い。経験とともに上がる項目なので、先回りしない

いちばん効くのは2つ目です。未経験の「きつい」は、業務と学習が同時に走ることから生まれる部分が大きくあります。入社前に学習を終わらせた分だけ、入社後の総量が減ります。

何から学ぶかは未経験からのエンジニア勉強は何から、職種ごとの入口の広さは未経験から入りやすいIT職種の選び方にまとめています。

1つ目の「影響範囲の小さいところから」は、配属のされ方で決まる部分もあります。契約の型との関係はSESの案件ガチャは本当?をご覧ください。

この数字で言えないこと

3つあります。

言えないこと なぜか
エンジニアのストレスとは言えない 全産業・全職種が対象。産業別の内訳はこの表にない
未経験者のストレスとも言えない 経験年数の区分がない。年齢階級で近いところを見ているだけ
項目どうしの合計は100%にならない 「主なもの3つ以内」の複数回答。分母は強いストレスと感じる事柄がある労働者

それでも使えるのは、毎年同じ項目で、年齢階級別に分かれていて、全体という比較相手があるからです。「きつい」という言葉だけでは、自分のきつさがどれなのか分かりません。

なお残業時間そのものの数値は、この記事では扱っていません。産業別の労働時間は別の統計になるためです。市場の側の話は未経験エンジニアは増えすぎ?、条件の食い違いは未経験IT転職の失敗に分けてあります。

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事例①:完全未経験から半年でWebエンジニアへ|年収250万円→600万円

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事例③:SESから年収800万円へ

本業に副業を足して年収800万円に到達した事例です。入ったあとの伸び方の一例として参考になります。

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よくある質問

未経験エンジニアの何%がきついと感じていますか

その統計はありません。「未経験からエンジニアになった人のうち何%がきついと感じているか」を調べた公的な調査は存在しません。この記事で使った労働安全衛生調査も、全産業・全職種が対象で、経験年数の区分はありません。割合を出している記事は、媒体のアンケートか個人の体感だと思って読んでください。

きついのは最初だけですか

調査では、20代で60.8%だった「失敗・責任」が50代では28.6%まで下がります。一方で「仕事の質」は20代21.8%から50代40.6%へ上がります。負担が消えるのではなく、中身が入れ替わると読むほうが実態に近い数字です。

残業はどれくらいありますか

この記事では扱っていません。産業別の労働時間は別の統計になるためです。残業の量は職種名ではなく、受託か自社開発か、納期の組み方、契約の型で大きく変わります。求人票では分からないので、面談で直近3か月の平均残業時間を聞くのが確実です。

きついと感じたら辞めたほうがいいですか

先に「どれがきついか」を分けてください。量なら減らせます。対人関係は場所を変えれば変わります。失敗と責任は頻度を下げられませんが、任される範囲で重さは変わります。辞めるかどうかの判断は、未経験エンジニアの後悔で取り消せる後悔と取り消せない後悔に分けてから決めてください。

入る前にきつさを減らせますか

量については減らせます。未経験の「きつい」は、業務と学習が同時に走ることから生まれる部分が大きくあります。入社前に学習を終わらせた分だけ、入社後の総量が減ります。何から始めるかは未経験からのエンジニア勉強は何からにまとめています。

まとめ|きついの中身は、年齢で入れ替わる

  1. 強いストレスと感じる事柄がある労働者は67.5%。内容の1位は「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」で、どちらも39.5%です
  2. 20代に限ると「失敗・責任」が60.8%で最多。全体より21.3ポイント高く、「仕事の量」の51.6%も上回ります
  3. この2つは年齢とともに下がり、「仕事の質」と「対人関係」が上がります。負担が消えるのではなく、中身が入れ替わります
  4. 下げられるのは量。入社前に学習を終わらせた分だけ、入社後の総量が減ります
  5. ただしこの調査は全産業・全職種で、未経験かどうかの区分はありません。きつさの中身を分けるための枠として使ってください

本メディアはRaiseTech(PISTEC株式会社)が運営しています。

出典:厚生労働省「令和7(2025)年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」第17表(個人調査、2026年11月5日取得)。内容別の割合は、強い不安・悩み・ストレスと感じる事柄が「ある」と答えた労働者を100とした割合で、「主なもの3つ以内」の複数回答です。合計は100%になりません。

この調査は全産業・全職種が対象で、IT業界やエンジニア職に限ったものではありません。また経験年数の区分はなく、未経験者だけを取り出すことはできません。本記事で年齢階級を見ているのは、経験の浅い層に近い区分がそれしかないためです。「未経験のエンジニアで、それが何として現れるか」の表は調査結果ではなく、本記事での説明です。

この記事を書いた人

RaiseTech運営事務局

RaiseTech(レイズテック)は、受講者数2,500名超え!現役エンジニアが講師を務めるAIエンジニア育成のオンラインスクールです。未経験からのエンジニア転職を支援してきた現場で見てきた情報をもとにお伝えしています。


監修

RaiseTech代表 エナミコウジ

エナミコウジ(RaiseTech代表)

  • ▫️ IT業界歴20年以上
  • ▫️ 経営者歴10年
  • ▫️ 現役エンジニア&スクール運営者
  • ▫️ スクール受講生2,500人以上
  • ▫️ 数百億規模の開発案件の初期メンバーとして参画
  • ▫️ 億単位の開発案件にプロジェクトマネージャーとして参画
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