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未経験エンジニアの現実|入った後の仕事・給料・1年目に起きること

「未経験からエンジニアになった人は、実際どうなっているのか」
「入った後の話がほしいのに、出てくるのは入るまでの話ばかり」

検索で出てくる「現実」は、ほとんどが個人の体験談です。参考にはなりますが、その人がそうだった、という以上のことは分かりません。

この記事は、国の調査で確かめられることだけを先に置きます。そのうえで、データでは出てこない部分を仕組みで説明します。

結論から言うと、転職で賃金が増えた人は減った人より多数派です。正社員から正社員への移動に限ると、増えた人が減った人を15.5ポイント上回っています(厚生労働省「令和7年雇用動向調査」表7)。ただし5〜6人に1人は1割以上下がっています。どちらも現実です。

この記事では、入る前・入った直後・1年目の3つに分けて、データで言えることと言えないことを分けて書きます。

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目次

「現実」を知りたいときに、何が確かめられるのか

最初に、公的なデータで答えられることと、答えられないことを分けておきます。ここを混ぜたまま読むと、他人の体験談を自分の見通しだと思い込むことになります。

公的データで答えられること・答えられないこと。賃金の増減や離職理由は統計があるが、職場の雰囲気や上司は統計にならない

内容 出どころ
答えられる 転職して賃金が増えた人・減った人の割合/前の職場を辞めた理由/年代ごとの転職のしやすさ 厚生労働省の調査。全産業が対象
答えられる 「未経験でも入りやすい」とされる職業に何が入っているか 厚生労働省 job tag。未経験から入りやすいIT職種の選び方で扱いました
答えられない 配属される現場の雰囲気/上司との相性/残業の実際の量 統計にならない。体験談でしか出てこないし、人によって違う
答えられない 「未経験エンジニアの平均年収」 そういう統計は無い。未経験かどうかで区分した賃金統計が存在しない

4行目は重要です。「未経験エンジニアの年収は◯◯万円」と書いてある記事は、求人票の提示額を集めたものか、その媒体の利用者のアンケートです。国の統計ではありません。悪いものではありませんが、母集団が違うので、そのまま自分に当てはめないでください。

以下、答えられる部分だけを数字で、答えられない部分は仕組みで書きます。

入る前の現実|「未経験OK」でも、入る前の準備は要る

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)には「未経験でも比較的入りやすい職業」という区分がありますが、IT系で入っているのは2職種だけです。システムエンジニアもプログラマも入っていません。

理由は定義にあります。この区分は「就業前の実務経験」と「就業前の訓練期間」のどちらも『特に必要ない〜1か月未満』と答えた人が50%以上」の職業を集めたものです。つまり、入る前に訓練期間が要る職業は、どれだけ求人に「未経験OK」と書いてあっても、この区分には入りません。

定義と該当する2職種、IT業界の5分野の分け方は未経験から入りやすいIT職種の選び方にまとめています。

「未経験OK」は「準備なしで入れる」という意味ではありません。採用側が「入社時点の実務経験を問わない」と言っているだけで、入る前に自分で時間を使ったかどうかは選考で見られます。ここを取り違えたまま応募を始めると、落ち続ける理由が分からなくなります。

入った後の現実①|最初に任される仕事は、作ることより「直すこと」

ここからは統計がありません。構造の話として読んでください。

未経験で入った人が最初から新しい機能を設計することは、まずありません。理由は意地悪ではなく、コードを書くより、動いているものを読むほうが先だからです。

入った直後に任されやすい仕事。テスト・不具合の再現・小さな修正から始まり、既存コードを読む量が多い

任されやすいもの なぜ最初がこれなのか
テストの実行と結果の記録 仕様を覚える必要があり、壊しても影響が小さい
報告された不具合の再現 システム全体のどこで何が起きるかを手で覚えられる
既存コードの小さな修正 書く量は少ないが、読む量が多い。ここが実力差になる
手順書・設定ファイルの更新 触る範囲が限定でき、レビューしやすい
問い合わせ対応の一次受け 利用者が何に困るかが分かる。配属先によっては長く続く

学習中に作った制作物と、最初の仕事のギャップはここに出ます。学習では「ゼロから作る」ことに時間を使いますが、仕事では「他人が書いたものを読む」ことに時間を使います。つまらないと感じるか、仕組みが分かって面白いと感じるかは、ここで分かれます。

5行目は注意が要ります。問い合わせ対応が一時的な慣らしなのか、その配属での主な業務なのかは、入る前に求人票の「業務内容の変更の範囲」で確認できます。

入った後の現実②|給料は上がるのか、下がるのか

ここは数字で答えられます。厚生労働省「令和7年雇用動向調査」の表7が、転職した人の賃金が前職と比べてどう変わったかを集計しています。

転職入職者の賃金変動。正社員から正社員の移動では増加44.5%、減少29.0%で、増加が15.5ポイント上回る

移動のしかた 増加 変わらない 減少 増加−減少
雇用期間の定めなしの一般労働者どうし
(正社員から正社員)
44.5% 25.0% 29.0% +15.5ポイント
一般労働者 計 42.0% 25.0% 31.5% +10.5ポイント
パートタイム労働者どうし 39.0% 34.2% 21.8% +17.2ポイント

正社員から正社員への移動では、賃金が増えた人が減った人を15.5ポイント上回っています。「転職すると下がる」が前提ではありません。

ただし内訳を見ると、別のことも分かります。

  • 1割以上増えた人:30.5%/1割未満の増加:14.0%
  • 1割以上減った人:18.7%/1割未満の減少:10.2%
  • 変わらない:25.0%

5〜6人に1人は、1割以上下がっています。上がる人のほうが多いのは事実ですが、全員が上がるわけではありません。未経験からの転職は、前職の経験を直接は持ち込めないので、この「下がる側」に入る可能性を見ておく必要があります。

とくに30代以降は、前職の賃金が高いほど下がり幅も大きくなります。年代別の数字は30代・未経験からのIT転職で扱いました。

入った後の現実③|どこで働くかは、契約で決まっている

「配属先が選べない」「現場がよく変わる」という話は、会社の方針ではなく契約の種類で決まります。

自分の会社以外の場所で働く形は、法律上3つしかありません。

契約 日々の指示を出すのは 就業の場所は
労働者派遣 派遣先 派遣契約に就業の場所と組織単位を書く(労働者派遣法第26条第1項)
準委任(いわゆるSES) 自社 配置を決めるのは自社(昭和61年労働省告示第37号 第二条第一号ハ(2))
請負 自社 同上

どの契約でも、客先が一方的に配属を決めることはできません。決めているのは自分を雇っている会社です。不満の向け先を間違えると、会社選びの基準もずれます。

求人票では「就業の場所(変更の範囲を含む)」と「派遣労働者として雇用しようとする旨」が明示の対象です(職業安定法施行規則第4条の2第3項 第3号・第8号)。常駐がありうるかは、応募前にここで読めます。

1年目に起きること|詰まり方が3段階で変わる

ここも統計はありません。ただ、詰まる場所の移り方には型があります。

1年目の3段階。最初は環境と用語、次は既存コードの読解、最後は見積もりと報告のタイミング

時期 詰まるところ 抜けるときに起きること
〜3か月 開発環境と社内用語。質問の仕方そのものが分からない 「何が分からないか」を言葉にできるようになる
3〜6か月 既存コードが読めない。自分の修正が他に何を及ぼすか分からない 影響範囲を自分で調べてから手を付けられるようになる
6〜12か月 見積もりが外れる。遅れに気づくのが遅い 前日ではなく数日前に相談できるようになる

共通しているのは、どの段階も「技術が足りない」ではなく「分からない状態の扱い方」で詰まっていることです。学習で身につけた知識の量より、こちらのほうが効きます。

3段階目の「遅れに気づくのが遅い」は、辞める理由にも直結します。抱え込んだまま期日を越えると、本人も周りも苦しくなります。30分調べて進まなければ聞く、のように自分の基準を先に決めておくと、ここは軽くなります。

「現実」を読むときに外しやすい3つ

体験談を読むときの注意点です。どれも、読み方を間違えると自分の見通しがずれます。

1. 書いている人の前職が分からない

同じ「未経験」でも、前職で業務システムを使う側だった人と、まったく別業界の人では、入った後の立ち上がりが違います。前職が書かれていない体験談は、自分と比べられません。

2. 「何年前の話か」が書かれていない

5年前と今では、求人の数も、求められる技術も、学習教材の量も違います。日付のない体験談は、いつの現実なのか分かりません。

3. うまくいかなかった人は、そもそも書かない

これがいちばん大きい偏りです。記事を書いているのは、書けるところまで到達した人です。途中でやめた人の話はほとんど出てきません。成功談ばかり見えるのはそのためで、成功率が高いことの証拠ではありません。

辞めた理由そのものについては、国の調査が年代別に集計しています。30代・未経験からのIT転職でデータを見ながら整理しました。入口の選び方と手順は未経験からエンジニアに転職する完全ガイド、スクールを使うかどうかは未経験向けプログラミングスクール比較11選にまとめています。

未経験からITに入るなら、いまはAI側から

ここまでは入った後に何が起きるかの話でした。起きることが同じでも、どの入口から入ったかで、その後の伸び方は変わります。

開発系の中でも、AIを使った開発は求人が増えている領域です。しかも未経験から入る人にとって不利が小さいという特徴があります。全員にとって新しい技術なので、経験年数の差が他の領域ほど効かないためです。

→ 職業としての全体像はAIエンジニアとは?完全ガイド、将来性はAIエンジニアの将来性にデータでまとめています。

RaiseTech(レイズテック)のAIエンジニア育成コースは、未経験からその入口を目指すためのオンラインスクールです。

  • 未経験からAIエンジニアを目指せます(転職支援つき)
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指定番号 2712025-2620011-5、指定期間 2026年10月1日〜2029年9月30日。給付金の支給には条件があり、受講開始前にハローワークでの手続きが必要です。年齢などの要件には例外もあり、問題ないケースもあります。詳しくは各スクールの給付金担当者にお問い合わせください。

紹介先の一例として挙げたKDDIアイレット株式会社は、2026年4月にKDDI Digital Divergence Holdings株式会社と合併し、アイレット株式会社から社名変更しています(同社公式の会社概要・沿革で2026年10月16日確認)。取材記事は旧社名の時点のものです。取材記事はコエテコキャンパス(2024年5月15日公開/2025年5月26日更新)で、同記事には受講生の発言として「転職の斡旋はしていない」という当時の説明が含まれます。RaiseTech は2026年5月1日に有料職業紹介事業の許可(27-ユ-305240)を取得し、現在は企業と直接結んだ人材紹介契約にもとづいて紹介しています(運営者確認・2026年10月17日)。同じ方のインタビューは江崎さんのインタビューにもあります。

未経験からエンジニアになった受講生の実績

「本当に未経験からなれるのか」は、実際になった人を見るのが一番早いです。いずれもAWS・Javaコースの卒業生ですが、「未経験から学び、作ったものを見せ、転職する」という道筋は職種が変わっても同じです。

事例①:完全未経験から半年でWebエンジニアへ|年収250万円→600万円

プログラミング完全未経験からJavaコースを受講し、受講開始から半年でWebエンジニアとして転職。フルリモート・残業ゼロの働き方になりました。特別な才能があったわけではなく、講義に毎週出席し、分からないことをその週のうちに質問で解消する、という当たり前のことを止めずに続けた結果です。

▶ 赤松さんのインタビューを読む

事例②:30代後半・未経験からクラウドインフラエンジニアへ

30代後半、AWS未経験からAWSコースを受講。キャリアチェンジ後の最初の職場で年収600万円に到達し、フルリモートで働いています。前職までの社会人経験は、エンジニアになってからもプロジェクトの進め方や顧客とのやり取りで強みになります。

▶ 石川さんのインタビューを読む

事例③:SESから年収800万円へ

本業に副業を足して年収800万円に到達した事例です。入ったあとの伸び方の一例として参考になります。

▶ まつもとさんのインタビューを読む

→ スクールを使うかどうかで迷っている場合は、未経験向けプログラミングスクール比較11選で11社を受講料・給付金・対象職種で比べています。

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→ 派遣・SES・請負で何が変わるかは、SESの案件ガチャは本当?で条文から整理しています。

よくある質問

未経験から入って、何年で「普通に働ける」ようになりますか

公的な統計はありません。本記事の3段階でいうと、1年目の終わりに「遅れを数日前に相談できる」状態になっていれば、立ち上がりとしては想定どおりです。技術の習得速度より、この部分のほうが周りからの評価に直結します。

転職して年収が下がったら、元に戻るまでどれくらいかかりますか

これも統計がありません。下がる可能性がどれくらいあるかは数字で言えます(正社員どうしの移動で1割以上の減少が18.7%)が、戻るまでの期間は職種・企業・本人によって違い、追跡した調査が存在しません。「◯年で戻る」と書いてある記事は推測です。

「未経験エンジニアの現実は厳しい」という記事が多いのはなぜですか

厳しい話のほうが読まれやすい、という面はあります。ただ数字で見ると、転職で賃金が増えた人のほうが多数派です(正社員どうしで+15.5ポイント)。厳しいかどうかではなく、「自分がどちら側に入りそうか」を条件で考えるほうが役に立ちます。

入った後に後悔しないために、入る前にできることはありますか

求人票の「業務内容の変更の範囲」「就業の場所の変更の範囲」を読むことです。どちらも2024年4月から明示が必要になった項目で、配属の幅と常駐の有無がここに出ます。面接で口頭でも確認しておくと、入社後のずれが減ります。

体験談は読まないほうがいいですか

読んで構いません。数字では出てこない部分(職場の雰囲気、質問しやすさ、1日の流れ)は体験談にしかありません。ただし本記事の3点(前職・時期・生存バイアス)を確かめたうえで読んでください。

まとめ|「現実」は厳しいかどうかではなく、どちら側に入るかで決まる

この記事のポイントを4つにまとめます。

  1. 公的データで答えられるのは、賃金の増減・辞めた理由・年代別の動きまで。職場の雰囲気や「未経験エンジニアの平均年収」は統計になっていません
  2. 正社員から正社員への転職では、賃金が増えた人が減った人を15.5ポイント上回っています。ただし5〜6人に1人は1割以上下がっています。どちらも事実です
  3. 最初に任されるのは、作ることより読むこと。学習で使った時間の配分と逆になるので、ここでつまずく人が多くなります
  4. 1年目の詰まりは、技術ではなく「分からない状態の扱い方」で起きます。3か月・6か月・1年で詰まる場所が移っていきます

「厳しいかどうか」は人によって答えが変わります。変わらないのは、入る前に読める情報があることと、それを読まずに入ると後から確かめようがなくなることです。


本メディアはRaiseTech(PISTEC株式会社)が運営しています。

出典:厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」表7(2026年10月19日取得)。転職入職者のうち前職雇用者で調査時在籍者についてみたもので、自営業からの転職入職者は含みません。就業形態が前職と異なる転職入職者は除いています。全産業の数字で、IT業界に限ったものではありません。

出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第26条第1項、職業安定法施行規則 第4条の2第3項 第3号・第8号(e-Gov法令検索・2026年10月19日確認)。厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号/最終改正 平成24年厚生労働省告示第518号・2026年10月19日取得)。

この記事を書いた人

RaiseTech運営事務局

RaiseTech(レイズテック)は、受講者数2,500名超え!現役エンジニアが講師を務めるAIエンジニア育成のオンラインスクールです。現場の実績をもとに、未経験からAIエンジニアを目指す方に向けた情報を発信しています。


監修

RaiseTech代表 エナミコウジ

エナミコウジ(RaiseTech代表)

  • ▫️ IT業界歴20年以上
  • ▫️ 経営者歴10年
  • ▫️ 現役エンジニア&スクール運営者
  • ▫️ スクール受講生2,500人以上
  • ▫️ 数百億規模の開発案件の初期メンバーとして参画
  • ▫️ 億単位の開発案件にプロジェクトマネージャーとして参画
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