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「エンジニア1人あたりの採用コストはいくらですか」
「来期の採用予算を組みたいが、何を積めばよいのか分かりません」
この記事は、そんな状態で「エンジニア採用 コスト」と検索した採用担当者の方のために書きました。
先にお伝えしておくと、信頼できる「相場」は出せません。主要な求人媒体・スカウトサービスの法人向けページを1つずつ確認したところ、料金を公式サイトに出しているのは3件だけでした(2026年10月10日時点)。相場として出回っている金額の多くは、代理店や比較サイトが書いたもので、出どころをたどれません。
そこでこの記事では、採用コストの内訳5つ、法令で上限が決まっている部分、公式に金額が出ている3件を押さえたうえで、自社の数字を入れれば総額が出る見積もりシートを置きました。
RaiseTech(レイズテック)は、受講者数2,500名超え!現役エンジニアが講師を務めるAIエンジニア育成のオンラインスクールです。未経験人材の育成と、企業さまへの紹介の両方を手がけてきた立場からお伝えします。
採用コストの内訳は5つ
見積もりを作る前に、何が発生しうるのかを並べます。抜けやすいのは3番目です。

| 費用の種類 | いつ発生するか | 採用できなくても発生するか | 金額の決まり方 |
|---|---|---|---|
| ① 媒体費 | 掲載を始めた時点/クリックされた時点 | する | 掲載プラン、またはクリック単価×クリック数 |
| ② 紹介手数料 | 入社が成立した時点 | しない | 料率 × 理論年収(上限は法令で決まっている) |
| ③ 自社の工数 × 人件費 | 動いている間ずっと | する | かかった時間 × その人の時間あたり人件費 |
| ④ ツール利用料 | 契約している間ずっと | する | 月額、または人数・求人数に応じた従量 |
| ⑤ リファラルのインセンティブ | 入社が成立した時点(社内規程による) | しない | 自社の規程で決める |
③の自社工数が、見積もりから最も抜けやすい項目です。社外に払うお金ではないため、請求書が残りません。けれども、書類を読む時間、日程を調整する時間、面接に出る時間は、確実に人件費として出ていきます。
規模感を押さえておきます。1人の採用で、書類選考に10時間、面接に20時間、調整と社内連携に10時間かかったとします。合計40時間です。時間あたり人件費を4,000円とすると16万円。面接官が2人出る回があれば、その分は倍で数えます。媒体費が20万円でも、総額は36万円になります。
この記事の見積もりシートでは、③を必ず入れる形にしています。入れないと、手法ごとの比較が成立しないためです。紹介は手数料が高く見えますが、自社工数は小さい。媒体は費用が小さく見えますが、自社工数は大きい。③を抜くと、この差が見えません。
→ 手法そのものの選び方はエンジニア採用手法7つを比較にまとめています。
POINT
抜けやすいのは「自社の工数 × 人件費」。これを入れないと、紹介と媒体の比較が成立しない。
法令で上限が決まっている部分
5つのうち、②の紹介手数料だけは法令に上限の定めがあります。ただし、上限が効くのは2種類あるうちの片方だけです。

有料職業紹介の手数料は、上限制手数料と届出制手数料の2つに分かれます。どちらを採っているかは事業者ごとに違い、同じ事業者が取扱分野によって使い分けることもできます。
上限制手数料|賃金額の11%が上限
職業安定法施行規則の別表(第二十条関係)に、手数料の最高額が定められています。
| 手数料の種類 | 最高額 |
|---|---|
| 受付手数料 | 求人の申込みを受理した場合、1件につき710円(免税事業者は660円) |
| 紹介手数料(原則) | 支払われた賃金額の100分の11(免税事業者は100分の10.3) |
| 紹介手数料(同一の人に6か月を超えて雇用された場合) | 6か月間の雇用に係る賃金について支払われた賃金額の100分の11(免税10.3) |
| 紹介手数料(期間の定めのない雇用で6か月超) | 上の額と、支払われた賃金から臨時の賃金・3か月を超える期間ごとの賃金を除いた額の100分の14.8(免税13.9)のいずれか大きい額 |
出典:職業安定法施行規則(昭和22年労働省令第12号)別表(第二十条関係)。e-Gov法令検索の現行条文より(2026年10月10日確認)。表の「手数料」は、求人者から徴収する額と関係雇用主から徴収する額の合計額を指します。
正社員の中途採用の多くは、いちばん下の行に当たります。期間の定めのない雇用で6か月を超えて働いた場合です。この場合は11%と14.8%のうち大きいほうが上限になります。
届出制手数料|法令に上限率の定めはない
もう一方の届出制には、上限率の定めがありません。事業者が手数料表を作って厚生労働大臣に届け出れば、その届け出た額を徴収できます。
届出のない事業者が届出制手数料を徴収することはできません。また、手数料の種類や額が明確に定められていない場合や、特定の人に不当な差別的取扱いをする場合は、手数料表の変更命令が出る仕組みになっています。
実務で目にする料率の多くは、この届出制のほうです。「上限は11%ではないのか」と思われるかもしれませんが、11%が効くのは上限制を採っている事業者に対してだけです。ここを混同すると、見積もりの読み方を間違えます。
なお、「届出制の上限は50%」という説明を見かけますが、施行規則の第二十条にも別表にも、その率は書かれていません。条文で確認できるのは上限制の11%・14.8%と、受付手数料の710円だけです。
実勢の料率がどのくらいなのか、理論年収に何を含めるかで請求額がどう変わるかは、エンジニア人材紹介の成功報酬とはで扱っています。見積もりを取るときは、料率だけでなく算定の基礎と返金規定を必ず書面で確認してください。
POINT
11%の上限が効くのは「上限制」を採っている事業者だけ。届出制には法令上の上限率の定めがない。
公式に金額が出ているのは3件だけだった
主要な求人媒体・スカウトサービスの法人向けページを1つずつ開いて確認しました。金額が書かれていたのは次の3件です。

| サービス | 運営会社 | 課金方式 | 公式に出ている金額 | 付帯条件 |
|---|---|---|---|---|
| Green | 株式会社アトラエ | 成功報酬型の求人メディア | 職種別に一律 30〜120万円 | 「年収に応じて変動する成功報酬費ではない」。掲載期間・求人数の制限なし。毎月1,000通までスカウト無料。初期費用の額は記載なし |
| paiza EN:TRY | paiza株式会社 | 完全成果報酬型 | 初期費用・掲載費用 0円/成果報酬 30%から | 料率は内定者のランクによって変動。支払いは入社翌月末。応募できるのはプログラミング問題を解き、規定以上のランクを持つ人のみ |
| リクナビNEXT | 株式会社リクルート | クリック課金 | 有料広告掲載は3,000円から | 「費用は求人がクリックされた分だけ」。予算上限を自分で設定でき、いつでも停止できる。投稿はIndeed PLUS連携の採用管理システムから行う |
各社の法人向けページで2026年10月10日に確認。金額・条件は変わることがあるため、申し込む前に各社の公式サイトで最新を確認してください。
リクナビNEXTは、固定の掲載プランではなくクリック課金になっていました。「掲載プランごとに数十万円」という前提そのものが、いまは当てはまりません。予算の上限を自分で決められ、途中で止めればそこまでの分しかかからない形です。ただし、投稿はIndeed PLUSと連携した採用管理システムから行うため、リクナビNEXTに必ず掲載されるとは限らないと公式に書かれています。掲載先は求人の内容に応じて自動で選ばれます。
金額を確認できなかったサービス
残りは、公式サイトに金額が出ていないか、料金ページにたどり着けませんでした。
| サービス | 公式に書かれていた課金方式 | 金額 |
|---|---|---|
| doda ダイレクト | ①定額プラン(初期費用のみ・成功報酬0円)②月額利用料+成功報酬 | 記載なし(要問い合わせ) |
| Wantedly | 掲載数無制限・採用成功報酬0円 | 記載なし(料金表はフォーム入力のうえダウンロード) |
| paiza転職(即戦力向け) | 完全成果報酬型・初期費用0円 | 成果報酬の率は記載なし |
| Forkwell Jobs | 記載なし | 記載なし |
| マイナビ転職 | — | 公式サイトで料金の掲載を確認できず(企業向けはログイン画面のみ) |
| ビズリーチ | — | 公式サイトで料金の掲載を確認できず |
2026年10月10日時点。このほかに1社、公式サイトで料金の掲載を確認できなかったサービスがあります。「確認できず」は「料金が無い」という意味ではありません。問い合わせれば提示されます。
検索すると各サービスの「料金はいくら」という記事が多数出てきますが、その多くは代理店や比較サイトが書いたものです。この記事では公式サイトに書かれていない金額は載せていません。掲載時期が分からない数字で予算を組むと、見積もりを取った段階でずれます。
→ 媒体ごとの特徴の比較はエンジニア求人媒体の比較にまとめています。
POINT
公式に金額が出ているのは3件だけ。相場で予算を組まず、使う予定のサービスから見積もりを取る。
そのまま使える見積もりシート
下の表をコピーして、自社の数字で埋めてください。手法ごとに「固定費+成果報酬+自社工数」を足すと、1人あたりの総額が出ます。

手順1|時間あたり人件費を決める
自社工数を金額に直すための単価です。1つ決めておけば、以降すべてに使えます。
| 項目 | 自社の値 | 出し方 |
|---|---|---|
| 採用に関わる人の年収(会社負担分を含む) | ( )円 | 給与に社会保険の会社負担を足す。おおよそで構いません |
| 年間の所定労働時間 | ( )時間 | 1日の所定労働時間 × 年間所定労働日数 |
| 時間あたり人件費 | ( )円 | 年収 ÷ 年間所定労働時間 |
面接官が複数人出る場合は、人数分を別々に数えます。現場のエンジニアが面接に出るなら、その人の単価で計算してください。単価の高い人が出るほど、自社工数の金額は上がります。
手順2|手法ごとに埋める
| 項目 | 媒体(クリック課金) | 媒体(成功報酬型) | 人材紹介 | リファラル |
|---|---|---|---|---|
| A 固定費(掲載料・月額・予算上限) | ( )円 | ( )円 | 0円のことが多い | ( )円 |
| B 成果報酬(入社時に発生) | 0円 | ( )円 | ( )円 | ( )円 |
| C ツール利用料(期間按分) | ( )円 | ( )円 | ( )円 | ( )円 |
| D 自社工数(書類選考) | ( )時間 | ( )時間 | ( )時間 | ( )時間 |
| E 自社工数(面接・人数分) | ( )時間 | ( )時間 | ( )時間 | ( )時間 |
| F 自社工数(調整・社内連携) | ( )時間 | ( )時間 | ( )時間 | ( )時間 |
| G 自社工数の金額 | (D+E+F)× 時間あたり人件費 | |||
| 1人あたりの総額 | A + B + C + G | |||
埋めるときの注意を4つ書いておきます。
- Aは「1人採れたとき」に割り戻す。掲載して2人採れたなら、1人あたりは半分です。0人なら割り戻せないので、そのまま全額が損失になります
- Bは料率ではなく金額で入れる。人材紹介は「料率 × 理論年収」で決まるため、理論年収に何を含めるかを確認してから計算してください。固定残業代や賞与見込みを含めるかどうかで、十数万円変わります
- Cは契約期間で按分する。年額のツールを1人の採用に全部乗せると過大になります。その採用に使った月数で割ってください
- Eは「人数 × 時間」。1時間の面接に3人出れば3時間です。ここを1時間で数えると、自社工数が大幅に小さく出ます
この表の使いどころは、手法を比べるときです。1つの手法だけで埋めても、金額の良し悪しは判断できません。2つ以上を並べて、総額の内訳がどう違うかを見てください。人材紹介はBが大きくGが小さい、媒体はAが小さくGが大きい、という形になるのが普通です。
POINT
1人あたりの総額= 固定費 + 成果報酬 + ツール +(工数×時間あたり人件費)。2つ以上の手法を並べて使う。
採用できなかったときに残る費用、残らない費用
予算を守れるかどうかは、採れなかった月に何が残るかで決まります。内訳5つを、この観点で並べ直します。

| 費用 | 採れなかったとき | 予算への効き方 |
|---|---|---|
| 媒体費(掲載プラン) | 全額残る | 採用人数に関係なく出ていく。1人も採れなければ1人あたり単価は計算できない |
| 媒体費(クリック課金) | 使った分だけ残る | 止めればそこで止まる。予算上限を設定できるぶん読みやすい |
| 紹介手数料 | 残らない | 入社が成立しなければ発生しない |
| 自社の工数 | 全額残る | ここが最も大きいことがある。請求書が来ないので気づきにくい |
| ツール利用料 | 契約期間ぶん残る | 年間契約なら途中でやめても残る |
| リファラルのインセンティブ | 残らない | 入社が成立しなければ発生しない(規程による) |
「成果報酬型だから安全」とは限りません。成果報酬型は②⑤が残らない一方で、③の自社工数は同じだけかかります。半年間、毎週3時間を選考に使って1人も採れなければ、時間あたり4,000円として約31万円が消えています。
予算を組むときは、残る費用(①③④)と残らない費用(②⑤)を分けて書いてください。残る費用の合計が、採用がゼロでも確定で出ていく金額です。ここを先に把握しておくと、途中で止める判断がしやすくなります。
もうひとつ、空席が続くこと自体の損失も横に置いておく価値があります。金額として計上はしにくいのですが、半年採れていないポジションがあるなら、その半年に出なかった成果があります。費用を下げる話と、早く採る話は、別々に考えないほうが現実に近くなります。
→ 採れない原因の切り分けはエンジニア採用が難しい5つの理由で扱っています。
POINT
採れなくても残るのは「媒体費・自社工数・ツール」。予算は残る費用と残らない費用に分けて組む。
よくある質問
エンジニア1人あたりの採用コストの相場はいくらですか
出典をたどれる相場の数字は見つかりませんでした。主要な求人媒体・スカウトサービスの法人向けページを確認したところ、料金を公式サイトに出していたのは3件だけです(2026年10月10日時点)。検索で出てくる相場の多くは代理店や比較サイトの記載で、掲載時期も算出方法も分かりません。相場を探すより、使う予定のサービスから見積もりを取り、そこに自社工数を足すほうが実態に近い数字になります。
人材紹介の手数料に上限はありますか
あります。ただし「上限制手数料」を採っている事業者に対してだけです。職業安定法施行規則の別表では、支払われた賃金額の100分の11(免税事業者は100分の10.3)が上限とされ、期間の定めのない雇用で6か月を超えた場合は100分の14.8(免税13.9)との大きいほうになります。もう一方の「届出制手数料」には、法令上の上限率の定めがありません。届け出た手数料表の額を徴収できる仕組みです。
自社の工数は本当に計上すべきですか
手法を比べるなら必要です。人材紹介は手数料が大きく自社工数が小さい、媒体は費用が小さく自社工数が大きい、という形になるのが普通で、工数を外すと媒体が実際より安く見えます。精密な原価計算をする必要はありません。年収を年間所定労働時間で割った概算の単価で十分です。
媒体の掲載料は、採用できなくても返ってきますか
掲載プランで契約した場合、採用に至らなくても掲載料は発生します。一方、クリック課金の形式であれば、費用は求人がクリックされた分だけで、予算上限を設定でき、いつでも停止できると公式に記載されています。どちらの課金方式かで、採れなかったときに残る金額が大きく変わります。契約前に確認してください。
リファラル採用のインセンティブはいくらに設定すればよいですか
公的な統計に項目が無く、出典をたどれる相場は見つかりませんでした。他社の金額に合わせるより、自社で置き換えて決めるほうが説明しやすくなります。たとえば、同じポジションを人材紹介で採った場合の手数料を上限の目安に置き、そこから社内の公平性を踏まえて下げる、といった決め方です。金額よりも、支給の条件(入社時か、在籍何か月後か)を先に決めておくほうが運用でもめません。
未経験エンジニアの採用をお考えなら
見積もりシートを埋めると、経験者を狙うほど自社工数が膨らむことが見えてきます。母集団が小さいぶん、書類を読む数も、会って見送る数も増えるためです。
RaiseTech Talentは、未経験エンジニアに特化した人材紹介サービスです。当スクールの受講生について、何をどう学び、どこで詰まり、どう解決したかという学習の過程までお伝えできます。書類では見えにくい部分を判断材料としてお使いいただけるので、会って見送る回数を減らせます。
紹介できるのは、次の2コースの受講生です。AIエンジニア育成コースは、未経験からAI駆動開発を4か月で学んだ受講生。AWSコースは、クラウドインフラを学んだ受講生です。どちらの卒業生かは、ご紹介の際にお伝えします。
初期費用0円・完全成功報酬で、早期退職の際の返金規定も設けています。
まとめ|相場ではなく、自社の数字で見積もる
この記事のポイントを3つにまとめます。
- 信頼できる相場は出せない。主要サービスのうち、公式サイトに料金を出していたのは3件だけでした。出回っている相場の多くは出どころをたどれません。使う予定のサービスから見積もりを取ってください
- 法令で上限が決まっているのは紹介手数料の一部だけ。上限制なら賃金額の11%(無期雇用で6か月超は14.8%との大きいほう)。届出制には法令上の上限率の定めがありません
- 自社工数を必ず入れる。1人あたりの総額は「固定費+成果報酬+ツール+(工数×時間あたり人件費)」。工数を外すと手法の比較が成立しません
次の一歩としては、手法の選び方をエンジニア採用手法7つを比較で、未経験採用の全体像を未経験エンジニア採用ガイドで確認してみてください。
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